高まるインターンの重要性 いまや、4社に3社が実施
第4の変化が、就職活動におけるインターンシップの重要性の高まりである。
そもそも、ここ数年でインターンシップを行う企業は急増。いまや、4社に3社が実施するほどだ。参加する学生も増加し、DHRの調査では、インターンシップに参加する学生は8割近くに達している(図表3)。参加回数も「5~10回」と「11回以上」を合わせて、5割を超える(図表4)。
欧米流のインターンシップは、一般に、特定の仕事(ジョブ)に就くためのトレーニング期間という位置づけで、数カ月間に及ぶのが通常だ。
これに対し、日本のインターンシップは表向き「教育(キャリア教育)の一環」とされるが、1日のみでの会社説明会的なものが多く、企業にとって採用の母集団形成のために行われる傾向がある。
20年度(21年卒)は特に、先ほど触れたように、新型コロナで採用活動が一時中断した間、早期に優秀な学生を確保しようと、コロナ前に実施したインターンシップの参加者に早めに内々定や内定を出した企業が多かったようだ。
ただし、DHRの調査によると、企業側としては、インターンシップ参加者からの採用がある一方(図表5)、インターンシップからの採用がメインというわけでもない(図表6)。もちろん、企業によっての差異はあるが、通常ルートからの採用は当然にある。
なお、IT系など一部の企業では数週間から1カ月程度の長期のインターンシップを行うケースもある。難易度の高い課題が出たり、実際の業務の一部を担ったりと内容はハードだが、新入社員と同水準の給与を支払う企業もあり、しかも、結果を出せばそのまま採用に直結する。それだけに人気は高く、選考基準も厳しいことが多い。
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