トレーニングも力8分目がちょうどいい
オーバートレーニング症候群は、通常の生活では考えられないトレーニング量、ないしは自分の基礎体力を無視したトレーニングを続けているときに起こりえます。過剰な運動によって、ストレスホルモンであるコルチゾールの分泌が持続的に上昇してしまうからとも考えられていますが、はっきりしたメカニズムはわかっていません。
しかし、「自分に負けたくない」という気合だけが勝ってしまう、あるいは無謀な体育会系精神論で練習を続けていると、オーバートレーニング症候群のリスクが高まります。
キツイ運動を貸しているが、どうも疲れが抜けずに逆にパフォーマンスが落ちていると感じたときは、アスリートでなくてもオーバートレーニング症候群の疑いがあります。
オーバートレーニング症候群の治療法は、当然ですが休息です。しかし、完全な休息をとることは、実は難しいケースがほとんどです。アスリートは、休むことで逆に強い不安に苛まれます。練習しないというだけでも、落ち着かなくなることがほとんどです。
Kさんも自宅療養に抵抗しましたが、病状の十分な説明と日常生活のアドバイスで回復することができました。休むことが、長い目でみるといかにメリットがあるかを説明し、不安を取り除いたのがよかったようです。
運動は、心身にプラスに働くのは事実です。しかし、度が過ぎると不調や異常を来す場合も、現実には多いのです。完全に休まなければならなくなる前に、自分の体調にしっかりと耳を傾けるようにしましょう。2週間以上休んでも回復しなければ要注意です!
(本稿は『今の働き方が「しんどい」と思ったときの がんばらない技術』西多昌規著からの抜粋です)
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