京都アニメーション放火された「京都アニメーション」のスタジオ(撮影日:2019年8月2日) Photo:JIJI

36人が死亡、33人が重軽傷を負った昨年7月の京都アニメーション放火殺人事件で、京都地検は16日、青葉真司容疑者(42)を殺人、殺人未遂、現住建造物等放火、建造物侵入、銃刀法違反の5つの罪で起訴した。同日が勾留期限だった。犯罪史上、最も多い死者を出したとされる未曽有の事件は発生から約1年5カ月。裁判員裁判での審理に向けた公判前整理手続きが本格化するが、初公判まで長期化するのは必至だ。(事件ジャーナリスト 戸田一法)

刑事責任能力を問えると判断

 起訴状によると、青葉被告は昨年7月18日午前10時半ごろ、京都市伏見区の京アニ第1スタジオ正面玄関から侵入、1階でガソリンをまいて火を放ってスタジオを全焼させ、36人を殺害、32人を負傷させた(筆者注※逮捕時の警察発表は負傷者33人でしたが、起訴段階で32人となりました)。

 青葉被告は事件直後、身柄を確保されたが重いやけどで入院。京都府警は翌19日、伏見署に捜査本部を設置し、逮捕前にもかかわらず異例の実名発表をしていた。翌20日に逮捕状を取得したものの、青葉被告は意識不明の重体で、大阪の病院に移送された。

 医師らによる懸命の治療で意識が回復し、話せるようになるまで回復。今年5月27日、京都府警が逮捕状を執行していた。青葉被告は身体の9割にやけどを負っていたため、病院から伏見署に移送される際はストレッチャーに乗せられ、顔や腕に痕が生々しく残っているニュース映像をご記憶の方も多いだろう。