全米女子オープンで苦汁をなめる選手たち、渋野日向子は「断捨離」で開眼かphoto:Jamie Squire/gettyimages

新星が次々と輝きを放った今シーズンの女子ゴルフ界は19歳のルーキー、新世紀世代の笹生優花が賞金ランキングで堂々のトップに立ち、新型コロナウイルスの影響で合算の形で争われる来シーズンへ折り返した。プラチナ世代の20歳・古江彩佳が2位、黄金世代の21歳・原英莉花が3位で続く一方で、不振にあえいだメジャー覇者、22歳の渋野日向子も12月の全米女子オープンで4位に入り、復活ののろしを上げながら激戦必至の2021年を見すえている。(ノンフィクションライター 藤江直人)

黄金世代、プラチナ世代、そして新世紀世代
女子ゴルフのスター続々

 黄金世代の背中を追うようにプラチナ世代が続き、さらには新世紀世代までが台頭してくる。新型コロナウイルス禍に見舞われ、23試合が中止を余儀なくされた今シーズンの国内女子ゴルフを振り返ってみれば、20歳前後の若手選手たちがまばゆい輝きを放ち続ける光景が生まれた。

 勝みなみ、畑岡奈紗ら1998年度生まれの黄金世代は、攻め抜くゴルフで昨夏のAIG全英女子オープンを制覇し、日本人選手で2人目のメジャーチャンピオンになった渋野日向子が成就させたシンデレラストーリーとともに一気に注目を集めた。今シーズンでは9月のゴルフ5レディスで小祝さくらが通算2勝目をマーク。ジャンボ尾崎を師匠に持つ原英莉花は10月の日本女子オープン、11月のJLPGAツアーチャンピオンシップを制覇。昨シーズンの畑岡に続いて、国内メジャーを連勝した史上11人目の選手になった。

 2000年度生まれのプラチナ世代(ミレニアム世代とも呼ばれる)をけん引したのは古江彩佳。9月のデサントレディースで通算2勝目を挙げると、11月には伊藤園レディス、大王製紙エリエールレディスを連勝。ルーキーの西村優菜も、11月の三菱電機レディスでツアー初優勝を果たした。

 さらに2001年生まれの新世紀世代が鮮烈なデビューを飾る。日本人の父とフィリピン人の母の間に生まれた笹生優花が、プロ転向後で2戦目となった8月のNEC軽井沢72ゴルフトーナメントで初優勝。2週間後のニトリレディスも制し、11月のTOTOジャパンクラシックでも2位に入った。

 賞金ランキングでは、19歳ながら9389万1170円を稼いだ笹生が堂々のトップ。2位が9050万2992円の古江で、3位は7072万2208円の原、4位は6288万6208円の小祝だった。西村も4796万4000円で7位につけるなど、3つの世代が上位をほぼ独占している。