22年以降はイデコの掛金見直しで
節税効果がさらに増す可能性

 公的年金に上乗せして老後資金の準備ができる確定拠出年金の改正が予定されている。確定拠出年金は、掛金を出したとき、運用で利益が出たとき、受け取るときに税金の優遇措置がある。この優遇措置を、拠出限度額の見直し後も現行のまま適用する。

 確定拠出年金は、企業が退職給付の一環である企業年金として導入し社員が加入する企業型と、日本に住む20歳以上60歳未満の人なら原則誰でも自分の意思で加入できる個人型確定拠出型年金(iDeCo、イデコ)がある。いずれも、毎月の掛け金には上限額がある。この掛金の見直しを22年10月に行うことが検討されている。企業型は現在、企業年金が確定拠出年金のみなら月5万5000円まで、確定給付企業年金があるなら月2万7500円まで。これを、月5万5000円から確定給付年金の掛金を差し引いた額までに見直す。

 一方、会社員が個人型を利用する場合は現在、企業型に加入する人は月2万円まで、確定給付企業年金に加入する人は月1万2000円までとなっている。これを月2万円を上限(ただし、企業型および確定給付企業年金の事業主掛け金との合計が5万5000円まで)に見直す。

 この見直しにより、会社員は確定拠出年金の掛け金を増やせる可能性がある。節税の恩恵が特に大きくなるのは、個人型の掛け金を増やしたケースだ。個人型の掛け金は、全額を所得控除できるので、掛金を出している期間の所得税・住民税を減らせる。所得税率が高い人ほど、この効果は大きい。また確定拠出年金は、企業型か個人型かにかかわらず運用益にかかる税金が非課税だ。毎月の掛け金額を増やし、運用益も増えれば、非課税のメリットは大きい。

 受取時の税金については、一括で受け取れば退職金と同じ扱い、分割して受け取れば公的年金と同じ扱いになる。どれくらいの税金がかかるかは勤務先の退職給付や公的年金の受取額により個々に異なるため、今回の税制改正と関連付けて一言で方向付けることはできない。

 ここまで紹介した通り、税金の優遇に関しては、期限が限定され、期限到来後は大きく変わりそうなものもある。今後数年間の生活を予想しながら、無理なく活用できるものがあれば選択してもいいだろう。