総予測#52Photo by Masato Kato

Zホールディングスは2021年3月、ヤフーとLINEの統合を完了する。コロナ禍を受けて、米GAFAMと中国BATはさらに勢力を強めている。特集『総予測2021』(全79回)の#52では、世界の「第三極」を形成すると意気込む川邉健太郎・Zホールディングス社長に激動の21年を展望してもらった。(ダイヤモンド編集部 村井令二)

「週刊ダイヤモンド」2020年12月26日・2021年1月2日合併号の第1特集を基に再編集。肩書や数値など情報は原則、雑誌掲載時のもの。

21年に「Yahoo!×LINE」が誕生
圧倒的な利便性を提供

――2021年はどんな世界になると予測していますか。

 実は、僕らZホールディングスという会社は「未来は予測するものではなくて作るもの」と言っていますので、来年、今年はどうなるということはあまり言わないようにしていますが、確かなことは、21年はコロナ禍からまだまだ脱却できずにいるのだろうということは言えますよね。

 その中で、オンライン化は確実に進んでいくでしょう。それと次世代移動通信規格「5G」のインフラ敷設が進んでいくことも確実で、それに連動したアプリケーションや取り組みが増えていくことになるでしょう。この二つが自明の未来としてあると思っています。

 そうした前提がある中で、21年春にいよいよLINEとの統合を終えて、「Yahoo!」「LINE」「PayPay」という、三つの国民的サービスを持った会社になります。

 それを中心に「ZOZO」や「アスクル」のブランドと連携させながら、急速にオンライン化していく日本の中で圧倒的な利便性を提供していく。こうした取り組みが遅れている公共部門のデジタル化とも連動して、日本全体がデータ駆動社会になっていく最初の1年にしたいです。

――経営統合で基本合意した19年11月以降と今では、新型コロナウイルスの感染拡大など外部環境が激変しています。経営の前提条件も変わってしまっているのではないでしょうか。