NTT帝国の逆襲#13
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国内の通信市場が成熟する中でNTTグループが海外に活路を求める。しかし、過去の海外投資の失敗は覆い隠しようもなく、海外事業はNTTグループの「鬼門」。再挑戦に全力を傾けるNTTに“ラスボス”の存在が立ちはだかる。特集『デジタル貧国の覇者 NTT』(全18回)の#15では、NTTが得意とする通信領域に迫る「GAFAM」の脅威を追う。(ダイヤモンド編集部 村井令二)

死屍累々!
海外事業の反転攻勢

「これがNTTのグローバル事業の中核になるでしょう」。2010年7月15日、三浦惺・NTT社長(当時)が英ロンドンから高揚した表情で発表したのは、南アフリカ共和国を拠点とするIT(情報技術)大手ディメンションデータの買収だった。

 三浦氏はディメンションとの調印式のため、ロンドンから東京の記者会見場に同時中継でメッセージを送っていた。東京の会見場に登壇していたのは当時副社長だった鵜浦博夫氏だ。その隣に陪席していたのは、現NTT社長の澤田純氏だった。

 必ずや負け戦を取り返す――。

 結果的に3代の社長がそろった豪華会見の席上、澤田氏は静かな闘志を燃やしていたに違いない。

 NTTグループにとって、海外投資は「鬼門」だった。トラウマだと言ってもいい。

 国内事業の成熟をにらみ、1999年から01年にかけて総額3兆円を超える海外投資を実行した。ところが、ポストマージャーの失敗とITバブル崩壊で、02年3月期には総額2兆円規模の特別損失を計上した。まさしく投資案件が死屍累々と転がっている状況だった。

 さらに、09年にNTTドコモが出資したインドのタタ・テレサービシズまで含めると、その「惨敗総額」は3兆円に達する。