みんながコップを片手に、今か、今か、という具合にビールを飲むのを待っているのに、何分も話をしていたら、絶対に嫌がられるからだ。

 同様に、結婚式のスピーチ、朝礼の挨拶なども、すべて短ければ短いほどよい。エピソードを紹介するときも、枝葉末節は大胆にカットして、短く話すのがコツである。

1つの長いメッセージでなく
短くパラグラフを分ける

 だらだらと全体を話しはじめるのではなくて、「お話ししたいことが3つあります。ひとつ目に……ふたつ目に……」という感じで進めていくとよい。そうすると、相手も、いつになればあなたが話をやめてくれるのかがわかるからだ。

 米国フロリダ州北東部にあるジャクソンヴィル州立大学のステファン・ビゴッド博士は、150字のメッセージをだらだらと伝えるよりも、50ずつ、3つのパラグラフに分けて説明したほうが、人の注意をひきやすいことを実験的に確認している。

 もちろん、簡潔に話をするためには、事前の準備が欠かせない。

 何の準備もなくスピーチをはじめたりすると、たいてい頭に浮かんだことを、そのまま口に出すことになり、そういうスピーチは、まとまりに欠け、話している本人以外には、何を言っているのかさっぱりわからないのである。

 あらかじめ、どんなネタを、どんな順番で、どれくらい短く伝えるのかを準備しておこう。スピーチなら、1分、5分、15分くらいの長さで紹介できるような準備をしておくとよい。

 私は、ひとつのネタを5分で話すというクセがついているので、講演会やセミナーをするときには、たとえば60分の場合には、5×12=60と計算して、12個のネタを準備しておく。

 30分のスピーチなら、5×6=30だから、6本のネタを準備するわけだ。

 このように自分がだいたいどれくらいのペースで話ができるのかをあらかじめわかっておくと、非常に便利である。

「もう少し聞きたい」タイミングで、
話を切り上げる

 話を切り上げるタイミングは、大いに盛り上がっているときである。もっとおしゃべりしたい気持ちが高まっていて、「このままお別れするのは名残惜しい」という気分のときが、退散するのに最高のタイミングだといえる。

 キャバクラでもそうだが、女の子との会話が非常に盛り上がっているところで、「ああ、そろそろ帰らなきゃ……」と切り上げたほうが、いい印象を残すことができる。女の子が、本気で、「まだ大丈夫じゃない」と言ってくれるときこそ、帰るべきタイミングなのである。

 商談のときにも、「せっかく1時間の予定をとってもらったんだから、1時間まるまるお話ししなくては」と思っていると、帰るべきタイミングを失ってしまう。