日本は性的役割分担の意識が強いという高校生の気づき

 一方、高校生たちが名称変更を求めた理由は、署名募集サイトで詳しく説明されている。

「先日、ジェンダーや男女平等について学ぶ機会がありました。『男性は仕事、女性が家事』という考えが日本には、まだ多く残っていることを知りました」

 高校生らが訴えていることを要約すると、大手企業が全国で展開する商品名には影響力があり、性的役割分担の考え方をそのまま再生産することにつながってしまいかねず、それを見た子どもたちが「お父さんは仕事、お母さんは家事」の意識を内面化することに危機感を覚える、ということだろう。

 説明の中では、数字によるエビデンスも挙げられている。たとえば、小学校5〜6年の女子と男子では、料理の手伝いを「いつもしている」「時々している」と回答した割合が、女子(76%)と男子(53%)で差があるという調査(独立行政法人国立青少年教育振興機構による「青少年の体験活動等に関する意識調査」平成28年度調査)が引用されている。

 女性が社会進出してもなお、家事・育児の負担は女性に任される現実があり、「無償労働時間」を男女で比較してみると、国際的にも日本の女性が担う割合は大きい(参考:内閣府男女共同参画局 コラム1『生活時間の国際比較』)。日本は男性が外で働き、女性は家庭で働くという性的役割分担の意識が強い国だ。

男女不平等はキャリア形成で感じやすい
10代半ばで問題提起した高校生たち

 今の世の中は男女平等かのようにうたわれるが、実際は「性的役割分担」の意識は根強い。女の子は家事や料理など、いつか「お母さん」になるための準備の方が必要だという考え方は、社会の隅々に行き渡っている。逆に男の子には「妻子を養う男らしさ」が求められがちであり、男女双方の生き方の幅を狭めている。

 このことが、女性がいざ就職活動をするときに、「結婚・出産した後に仕事を続けるつもりはあるか」と聞かれるなど就職差別につながることがある。男女間の賃金格差や、非正規雇用に就く人の割合は言わずもがなである。

 たとえ男性と同じように真面目に勉強して就職活動に成功しても、結婚・出産後にキャリアを閉ざされる女性はいまだに少なくない。

 そして、このような男女間の不平等は、就職を考える時期までは気付きづらいのも事実だ。高校生たちが10代半ばの時点でこの事実に行き当たり、性的役割分担を内面化させる社会の刷り込みに問題提起したことは素晴らしいと感じる。

 しかし高校生たちの問題提起は、ネット上では「大人」たちから寄ってたかってバッシングされた。