他大学と比べて慶應義塾が秀でているのは、圧倒的な結束力と集金力だ。コロナ禍で経営が苦しくなった大学の学食に対するクラウドファンディングの支援に3000万円以上が集まった。特集『慶應三田会vs早稲田稲門会』(全16回)の#5では、話題を集めた「山食」クラウドファンディングの舞台裏を、谷村忠雄社長に聞いた。(ダイヤモンド編集部 山本 輝)
コロナ禍で大打撃を受けた
慶應大生のソウルフード「山食」
――コロナ禍で大変な影響を受けています。
そうですね。山食はもう83年超の歴史があるんですけれど、こんな危機は初めてのことです。2008年のリーマンショックや、11年の東日本大震災のときでさえここまでの事態というのはありませんでした。
――売り上げにはどれくらい影響がありましたか?
前年比で80%ほど減っています。月によってはもう100%減。つまり0円です。大学には職員、教員の方が少しいましたけれど、もうこれじゃ営業しても何の意味もないと思って、大学に相談して5月と8月は丸々閉めていたんです。通算では3カ月分ぐらいは休業していたかな。
感染防止対策のために162席を50席に減らして営業していますが、そもそも大学に来る人が少ない。ランチだけではなく、年60~70件あるパーティーもコロナ禍ではできず、今は0件。大変な影響です。
8月に銀行から500万円の融資を受けました。ですが給料などの諸経費は月150万円ぐらいかかってしまいます。借り入れたお金は3カ月しか持ちませんでした。