三田会#番外編Photo by Akira Yamamoto

お菓子「まずい棒」の販売や映画「電車を止めるな!」の製作など、経営が厳しい中でもユニークな取り組みをしていることで知られる銚子電気鉄道。だが経営再生を図る裏側には、数多くの慶應義塾の人脈があった。特集『慶應三田会vs早稲田稲門会』の番外編では、銚子電鉄を支えてきた三田会OBの存在について、竹本勝紀社長に話を聞いた。(ダイヤモンド編集部 山本 輝)

銚子電鉄の対策協議会に
慶應義塾高校出身者が集った

――銚子電鉄は経営難が長らく続く中、ユニークな取り組みをする「エンタメ鉄道」として有名です。経営を立て直す中で、多くの慶應義塾のつながりに助けられたそうですね。

 そうなんです。まず、最初にお世話になったのが、2013年に「銚子電気鉄道運行維持対策協議会」が立ち上がったときに議長を務めた、伊藤浩一さんです。伊藤さんは当時銚子商工会議所の会頭で、いわゆる地元の名士の方。私と同じ慶應義塾高校(塾高)出身という縁から、親しく接してくれるようになりました。

 それから、対策協議会の副議長だった坂本雅信さんも塾高出身でした。銚子市漁業協同組合の組合長で、全国の漁業協同組合の副会長も務めています。もともと商社出身で、漁業組合では非常に珍しい、MBA(経営学修士)を持っている人なんですよ。

 みんな学年も違うのに、偶然にも塾高出身者が集まった。そこでは、やはり頼れる存在というか、塾高の鉄の結束のようなものを強く感じましたね。

――どういったところで結束を感じたのですか。