投資界の三大偉人は
ボーグル氏、バフェット氏、シュワブ氏

 ボーグル氏の偉大な点は、彼がけん引したインデックスファンドのビジネスを通じて、多くの投資家に投資成果を改善する具体的な手段を与えたことだ。人々に与えた良い影響の大きさと広さ、そして確実性の点で、ボーグル氏の業績は抜きん出ている。そして本書を読むとお分かりいただけるように、人格もバフェット氏と甲乙付けがたく素晴らしい。

 本人に聞いたわけではないが、「投資界の偉人ナンバーワン」にボーグル氏を挙げることについて、おそらくバフェット氏も賛成するのではないか。ちなみにバフェット氏は自分の個人資産の90%を、ボーグル氏が創業した世界有数の資産運用会社バンガードが運用するS&P500のインデックスファンドで妻に遺したいと述べている。

 ついでにもう一人、タイプの異なる偉人を挙げるなら、ディスカウント・ブローカー大手の創業者であるチャールズ・シュワブ氏を挙げたい。彼は、証券取引の手数料引き下げに寄与したことで、投資家に大いに貢献した(詳細は『バフェット級の偉人、株式売買「手数料ゼロ」生みの親の自伝は投資家必読』参照)。

 投資の世界を自動車に例えると、ボーグル氏は安価で高性能な大衆車を開発製造し、バフェット氏は運転の手本を示し、シュワブ氏は道路舗装に貢献した。いずれも立派である。読者なら、誰を一番に挙げるだろうか。

 なお、投資の世界には目覚ましい成果を上げ、自身も大金持ちになったヘッジファンドのファンドマネージャーなどもいるが、彼らの評価とランキングはボーグル氏、バフェット氏、シュワブ氏らにはるかに及ばない。理由は後でご説明する。

 ボーグル氏は2019年に89歳で生涯を閉じた。本書には、ボーグル氏が投資とビジネスと人生について、後の世代に遺したかった知恵がコンパクトに詰め込まれている。原書のタイトルが「Enough」と付けられているように、「足るを知る!」ことの重要性が本書の中心的メッセージだ。

 以下、「インデックスファンド」をご存じない人にも分かるように本書を解説しよう。拙文をこの本の読書ガイドとして役立てていただけたら幸いだ。