インデックスファンドの勝利
なぜそれほど素晴らしいのか?

 ボーグル氏が世界の投資家に贈ってくれた「インデックスファンド」という運用商品は、どのようなものでなぜ素晴らしいのかをご説明しよう。

「インデックス」とは指数のことだが、株式投資の場合は株価指数。米国では、「S&P500」「ダウ工業株30種平均」などがポピュラーだ。一方、日本では「TOPIX」と呼ばれる東京証券取引所第1部上場銘柄の平均的な値動きを表す「東証株価指数」、さらに毎日のニュースでわれわれの耳になじんでいる「日経平均株価」などが広く知られている。

 これらの指数は、もともと上場株式の株価の平均的な動きを表す統計的な目的で開発されたものだ。そしてインデックスファンドは、これらの指数の構成銘柄と構成ウェイトを真似して、ターゲットとする株価指数と同じ値動きをするように運用される投資信託だ。

 例えば、TOPIXの計算にトヨタ自動車の株式が3%のウェイトで反映されているとすると、TOPIXに連動することを目指すインデックスファンドは資産の3%をトヨタの株式に投資する。いわば、インデックスをコピーする運用なのだ。

 インデックスファンドは、その仕組みから容易に想像できるように、株式市場の平均的な運用成果を保有者に提供する。より正確には、平均的な運用成績から運用に関わる手数料などの経費を差し引いたリターンになるが、商品としてのインデックスファンドは運用手数料の設定が極めて安い。その上、ボーグル氏と彼が率いてきたバンガードは、長年それをさらに引き下げることに注力してきた。

 インデックスファンドではない運用商品は主に「アクティブファンド」と呼ばれ、プロのファンドマネージャー(運用者)が「市場平均よりも高い成績を目指して」運用するものだ。インデックスファンドが登場する前の投資信託はアクティブファンドであることが常識で、今日でもまだ多くのアクティブファンドが運営されており、次々に新商品が登場してもいる。

 運用業界の長年の常識で、今でも顧客に訴えようとしている考え方は、投資信託の醍醐味はプロのファンドマネージャーに運用を任せられることにあるとするものだ。はじめから「市場の平均」を目指すことに魅力などないとして、ボーグル氏がインデックスファンドのビジネスを始めたときには、運用業界内では「ボーグルの愚行」と言われたという。