本来は足りないはずだが
ワクチンが余ってしまう理由

 イスラエルでは保険会社ごとにインターネット上のサイトが設けられていて、そこでワクチン接種を予約する形式をとる。現時点では50歳以上の人しか申し込みできず、たとえイスラエル人であっても50歳未満の人はワクチンを接種できない。体力と免疫に劣る高齢者が先に接種するという仕組み自体には全く問題ない。

 しかし、その知人によると、「一部でワクチンが余っている」という。

 先述したように、ワクチン接種は「優先順位」が決まっている。本来ならば、足りないはずだ。なぜ、余っているのだろうか。

 その知人に詳しく聞いてみると、予約者のうち、何人かは当日に無断キャンセルをしてしまうからだという(その数は5%といわれている)。

 筋であれば、使わなかったワクチンはそのまま次の日に持ち越すべきだが、「管理上の理由で、その日のうちに廃棄してしまう」というのだ。なんとももったいない。

 そして、その余ったワクチンの「引き取り手」になるべく連日連夜、ワクチンの接種終了時刻の間際に、地元の人々がワクチン接種所にやってくるという。

 その知人もそれに紛れてちゃっかり接種を終えてしまったようだ。

 高齢者でもないし国民でもない筆者は、ワクチンの割り当てが来るのを待つか、自分の国に帰って接種するしかない。接種は半ば諦めていたし、ずっと家に籠もって勉強するしかない私にとって、正直今すぐ接種が必要なわけではなかったが、せめて実態だけでも見ておこうと思い、さっそく家を出た。