特筆すべきは、将来の労働力不足を考慮して開業時から完全自動無人運転を行った点である。これは営業路線としては世界初の試みであった。そういう意味では、鉄道の無人運転にとっても40周年の節目になる。

 鉄道とはその名の通り、鉄のレール上を鉄の車輪で走る交通機関だ。ところが新交通システムは鉄道の一種であるが、コンクリートの路面をゴムタイヤで走行する。車体は鉄道より小ぶりで、定員は一般的な鉄道車両の半分だ(1両あたり約75人)。多くの路線では4~6両編成で走行し、その輸送力は鉄道より小さく、バスよりは大きい「中量輸送機関」として位置づけられている。

新交通システムが
開発された理由

 なぜこのような乗り物が開発されたのだろうか。都市交通史を振り返ると、最初に大都市の「足」となったのは路面電車だった。路面電車は19世紀末に発明され、世界各地へと広がっていった。しかし20世紀に入って自動車の大衆化が進むと、都市の道路は自動車で埋め尽くされ、路面電車の行く手を阻んだ。そこで道路と立体交差し、路面交通に影響されない鉄道として普及したのが地下鉄である。

 日本では1927年に初の地下鉄(現在の銀座線浅草~上野間)が開業し、1933年には大阪で御堂筋線、1957年には名古屋で東山線が開業した。1970年代に入ると札幌、横浜、神戸、1980年代には京都、福岡、仙台と、地下鉄は地方都市へと広がっていく。

 しかし地下鉄の建設には1キロあたり250億~300億円という莫大なコストを要する。コストダウンを図るため、トンネル断面の小さいリニア地下鉄が開発され、大阪の長堀鶴見緑地線や東京の大江戸線などで実用化されたが、それでも建設費は1キロあたり200億~250億円に達することから根本的な解決には至らなかった。

 一方、バスは安上がりだが輸送力が限られ、速度も遅いため、バスと鉄道の中間の輸送力を持ち、地下鉄よりも建設費が安い交通機関が必要とされたのである。

 当初、次世代の中量輸送機関として期待されたのはモノレールだった。1950年代にコンクリート製の桁の上をゴムタイヤで走るアルヴェーグ式モノレールが開発されると、急勾配を走行可能なため柔軟なルート設定が可能で、構造も簡易で建設費が安価な中量輸送機関として注目を集めた。