オンラインサロンへ集客
カスタマイズが重要

 主にビジネス系の番組を配信している鴨頭嘉人氏(登録者数106万人)や、お笑いタレントの中田敦彦氏(登録者数343万人)などを筆頭に、ユーチューブからオンラインサロンへ誘導するマネタイズ方法もあるという。

 オンラインサロンとは、ウェブ上で展開されるクローズドなコミュニティーのこと。Facebook、LINE、Slack、Discordなどコミュニケーションツールを使い、希少価値の高い情報を特定のメンバーだけに発信するビジネスモデルだ。

「鴨頭さんは、以前まではユーチューブ動画で集客して、リアルセミナーに参加してもらうビジネスモデルでしたが、近年はオンラインサロンを開設。月額3000円と2万円のメニューがあり、後者ではどのようにビジネスを成功させるかの具体策をお話しています。中田さんの場合は、ユーチューブからの広告収入だけでもかなり多いでしょうが、月額980円のオンラインサロンには4386人(1月17日現在)が参加しています。特に最近の傾向として、ユーチューバーのオンラインサロン開設が目立ちますが、ここまで紹介したマネタイズはどれか一つだけを行うのではなく、合わせ技で行うのが一般的。複数の収益を確保してリスクを分散させるスキルを、今の一流ユーチューバーたちは持っているようです」

 HIKAKINやはじめしゃちょーをはじめ、数多くの有名ユーチューバーを擁する事務所「UUUM」の取締役・市川義典氏も、今後のマネタイズのあり方をこう解説する。

「昨年から続くコロナの影響も受け、クライアントのマーケティングに対する考え方も変わってきており、『今の世の中ではどういう方法ならしっかりターゲットリーチができるのか』と、ご相談を受ける機会も増えました。そうしたクライアントのご要望や商材に沿って、カスタマイズしていくことが重要だと思っています。たとえば、クリエイターがユーチューブで公開した動画とは別で、店頭向けに作成した短尺動画をポップに使っていただいたり、動画を配信する前にインスタグラムで告知したりなどさまざまです。このようにカスタマイズしてきちんとマッチングすることができれば、かなり効果がいいものをお作りできます。実際に、こうした分野に広告出稿していただいているクライアントは相当増えています」

 昨年12月3日に発表されたベネッセ「進研ゼミ小学講座」が実施した「2020年の出来事や将来に関する小学生の意識調査」によれば、小学生がなりたい職業ランキングで「ユーチューバー」は男子2位と、相変わらず根強い人気だ。

 2021年も、ユーチューバーの未来は明るいといえるのかもしれない。