軸の仮置きをきっかけに
志望企業を大きく変えた学生も
実際にこの方法によって軸の仮置きをしたことで、当初とは異なる業種、職種への就職を決めた学生もいるという。
「大手食品メーカー希望だったある女子学生に軸の仮置きをしてもらったところ、自分の強みはリソースや期限などに制限がある中で動くのが得意なことで、やりがいは周りと協働することだと分かった。そこで、倍率が高い大手食品メーカーだけでなく、自分の特性に合ったIT企業にも視野を広げて興味を持つようになり、結果的には自分に合うIT企業でSEとして働くことになった」(濱田氏)
企業選択の判断軸には、「事業(どのような事業を志望するか)」「事業内容(どんな強みを事業内容に生かしたいのか)」が重要だが、多くの学生は「職場環境」や「キャリア」、あるいは福利厚生などの「条件」にばかり目が行きがちだ。
「事業や事業内容という観点から企業選びを考えれば、必然的に自分の強みややりがいなどが重要になってくる。これを理解した上でエントリーシートを記入したり、面接で話したりできれば、なぜ自社を志望するのか企業側に納得感を持ってもらいやすく、内定の可能性も高まる。さらに、強みを知ることで『自分にはこういう仕事の選択肢もあるんだ』と認識して、思いもしなかった可能性も広げることができる」(濱田氏)
コロナ禍が続く中、22年卒の就活はオンラインでの面接が主流になり、これまで以上に受け答えでの論理性が求められるようになるだろう。そのとき、自分の強みや経験と、企業の事業・事業内容との接点をきちんと話すことで、採用担当者から候補者が実際にその企業で働くイメージを持ってもらいやすくなるのではないだろうか。