なぜ日本人は英語の発音が苦手なのか

 日本人と欧米人の最も大きな違いは、口腔内(こうくうない・口からのどまでの空洞部分)の動きです。

 日本語は「口先だけで話す言語」とも言われ、口や舌を大きく動かさなくても発音できます。

 一方、英語は口や舌をダイナミックに動かす必要があります。特にアメリカ英語は舌の動きが大きく、舌根(ぜっこん・舌の奥)を下げ、息を多めに流して発音する傾向にあり、日本語よりも声の深みがある発音(発声)になりやすいです。

 なぜ日本人は英語の発音が苦手なのか?

 それは、「英語と日本語の口腔内の動きはまったく違う」という認識を持てないためです。

 日本語を英語に当てはめようとしても、少し違う発音ができ上がります。そして、自分にはできない発音だと思い込み、英語発音の習得をあきらめてしまうのです。

 論より証拠。実際に練習してみましょう。アルファベットのEです。「アルファベット? そんなの余裕だよ」と思った人もいるかもしれません。

 しかし、学校では単語や文法の勉強がメインで、発音は詳しく習いません。そもそも、アルファベットの発音をしっかり習いましたか?

 アルファベットも、小さな発音の連なりでできています。アルファベットが正しく発音できなければ、単語も発音できません。人間の脳には「発音できない音は聞き取れない」という特性があります。発音ができなければ、英語でコミュニケーションをとることはできません。文法や単語もどれだけ覚えても、「通じない」のです。