とにかく、「僕という人間」を信頼してくださる方々を、コツコツと増やしていくことが大切。その「母数」が増えれば、僕に連絡をくださる方は確実に増え、契約をお預かりできる件数も確実に増えるはず。「信頼という資産」を積み上げることができれば、「結果(売上)」は自然とついてくると腹をくくったのです。

お客様に信頼されるために、
「営業思考」を磨き上げる

 そして、僕は試行錯誤を繰り返しました。

 どうすれば、アプローチするお客様を増やすことができるのか?

 お客様に会っていただくためには、どういうアプローチをすればいいのか?

 心を開いていただくためには、どんなコミュニケーションをとればいいのか?

 お客様に信頼していただくためには、どうすればいいのか?

 ご紹介をいただくためには、どのようにアプローチすればいいのか?

 このように、「信頼という資産」を積み上げるために何をすればいいのか、ありとあらゆる観点から考え、自分の一挙手一投足を意識的に変えていきました。

 はじめからうまくいくことなどほとんどありません。仮説を立てて、実行して、お客様の反応をみて、修正をする。このPDCAを繰り返しながら、僕なりの「営業思考」を磨き上げていったのです。

 そして、これが劇的な変化をもたらしてくれました。

 なんと、プルデンシャル入社1年目に、個人保険部門において全国の営業社員約3200人中の第1位を獲得することができたのです。入社半年後に「壁」にぶつかっていたのが嘘のようでした。年度終盤に、お客様からの紹介案件が急増。奇跡的な追い上げが現実のものになったのです。

 さらに、入社3年目には、卓越した生命保険・金融プロフェッショナル組織MDRT(Million Dollar Round Table)の6倍基準である「Top of the Table(TOT)」に到達。これは、日本の生命保険募集人登録者、約120万人の中で毎年60人前後しか認定されない「狭き門」ですから、たいへん光栄なことでした。

 それ以降も、さらに「営業思考」をブラッシュアップすることで、冒頭に書いたとおり、「保険を売る」ために汗をかかなくても、高い業績を継続することができるようになり、最終的には、TOT基準の4倍の成績をあげることができるようになっていました。

「思考」が変われば、「世界」は変わる

 僕は、特殊なことをしてきたわけではありません。

 やっていることは、誰にでもできることばかり。当たり前のことばかりと言ってもいいかもしれません。

 重要なのは、具体的な行動の背後にある「思考法」です。僕は、「壁」にぶつかって、精神的に“どん底”に陥ったときに、「目先の売上」のためではなく、「信頼という資産」を積み上げるために仕事をするという「思考」に切り替えました。そして、この「思考法」を実践を通して徹底的に磨き上げた結果、「売らなくても売れる」「『あなたから買いたい』と言われる」という環境を作り上げることができたのです。

 このたび発刊する『超★営業思考』では、その「思考法」をあますところなくお伝えします。

 タイトルには、「営業=売る」という「営業思考」を超越することでこそ、圧倒的な営業成績を生み出すことができるという意味を込めています。

 もしも、この本を手に取ってくださったあなたが、かつての僕のように「壁」にぶつかっているならば、今こそチャンスだと強くお伝えしたいと思っています。僕がそうであったように、「壁」にぶつかっているときこそ、「思考法」を切り替える絶好のチャンスだからです。

 あのとき、僕はこう実感しました。

「思考」が変わるということは、「僕という人間」の運転手が変わるようなものだ、と。

 例えば、同じ車を僕とプロレーサーが運転した場合、同じ車でも運転手が違うだけで走りは全く違うものになります。「僕という人間」のスペックに変化はありませんが、運転手が変われば“走り”が変わるのです。車窓から見える“風景”も一変します。「思考」が変われば、「世界」が変わるのです。

 それは、「変化」ではなく「変質」です。

「思考」が変わると、徐々にではなく一瞬で人間が変わるのです。『超★営業思考』を読んでくださった皆さまにも、きっと同じような「変質」が訪れると確信しています。