【その3】「まとめる言葉」をつけてしまう

――「アウトプットの言葉」を組み合わせる思考術も、すぐ使えます。

藤原 いろんな言葉に「まとめる言葉」をつけていく方法です。本であれば「大全」「全集」「ハンドブック」、イベントなら「フェア」「祭り」「バザール」、IT系なら「アプリ」「VR」「ウェブサービス」とかって、ジャンルによって、これを付ければまとまるっていう言葉がありますよね。

 私はそれを「アウトプットの言葉」と呼んでいて、それをいろんな概念や考えにくっつけてしまうんです。ワークショップでもやったことがあるんですけど、参加者のみなさんが変なアイディアをたくさん考えてくれて面白かったです。

「最近、イラッとしたことを紙に書いてください」って言ったら、「上司がムカつく!」って書いた人がいて、それにアウトプットの言葉をつけてアイディアにしてくださいって言ったら、「ムカつく上司の悪口大全」とか書いてくれました。

――それ、読みたいです(笑)。

藤原 ですよね。そこからさらに、悪口だけじゃなくて、ムカつく上司への対応方法が全部載っている事典があったら便利かな、とか想像を広げられるわけです。

 本屋さんでワークショップをやったときは、店内にあるマンガのタイトルとアウトプットの言葉を組み合わせて考えてもらいました。そしたら、マンガのタイトルにあった「ひとりじめ」というタイトルと「祭り」という言葉を合体させて「ひとりじめ祭り」というアイディアを考えた人もいました。

YouTubeチャンネル「無駄づくり」より

――ワークショップにはどんな方が参加されるんですか?

藤原 ビジネスマンとか主婦の方とか、いろんな方が参加してくださっています。最初はみんな緊張して、真面目な雰囲気なんですけど、「くだらない言葉をいっぱいつくろう!」って背中を押していくと、本当にユニークな言葉を考えてくれて、面白いアイディアがどんどん生まれます。

 きっかけさえあれば、どんな人でも変なアイディアを思いつくし、それを面白く思う感性もあると思うんです。

 一見、普通の主婦の方が、めちゃくちゃ危険な山に登るほど山好きだったり、ふだんはビシッとしているビジネスパーソンの人も、実は週末は変わった趣味を楽しんでいたり、自分では気づいていない変なところって、意外とみなさん持っているように思います。

『考える術』を使って考えることは、ビジネスパーソンとか主婦とか、自分の役割に徹した「こうあるべきだ」という思い込みを捨てて、普段は表に出せない変な自分を全開にできるきっかけになると思っています。

 自分の身近にある言葉を使って、自分らしい変なことをどんどん考えていってほしいです。

【その4】ハードルを低くして、たくさん案を出す

――たしかに、日本人は「みんなと同じが正しい」という教育を受けてきて、人と違う自分を表現するのが苦手な人が多いと思います。

藤原 私も本当にそうで、もともと工作が好きだったんですけど、不器用でみんなと同じようにつくれないから苦手だったんです。「工作は好きだけど苦手」っていう矛盾をずっと抱えていて……。

 でも「無駄づくり」っていう枠組みにして、最初からハードルを下げちゃえば、すごく汚いぐちゃぐちゃのものをつくっても、どれも正解になるじゃないですか。

 その「ハードルの低さ」がアイディアを考えるときはすごく大事だと思ってるんです。本当にくだらなかったりバカバカしいものを考えれば考えるほど、ハードルが下がって、もっと自由に考えられるようになる。そこから新しいもの、面白いものが出てくると思うんです。『考える術』のいろんな考え方を使って、思考の枠を取り払ってもらえたらうれしいです。

【大好評連載(全5回)】
第1回 「頭のかたい人、柔らかい人」の決定的な3つの差
第2回 「頭の柔らかい人」がしている4大習慣
第3回 【必見】「史上最高に無駄な発明」ベスト3
第4回 「頭の柔らかい人」は知っている3大発想法
第5回 【藤原麻里菜】ネガをポジに反転させる思考法