菅政権誕生後、女性の社会進出を進めようとする動きが出てきている。例えば、「選択的夫婦別姓」を実現させようという動きが、自民党内の女性議員たちから出てきた。これは、国際連合の女性差別撤廃委員会から「差別的な規定」と3度にわたって勧告を受けている問題だ。

 だが、「昭和の保守派」たちの考えを引き継いだ反対派の抵抗が強く、法案の提出は見送りとなった。

 このような女性に対する意識の低さの結果として、日本の女性の社会進出は世界の中で極めて低い。例えば、企業の管理職における女性の割合が、わずか14.9%だ(参照:国際労働機関〈ILO〉「Women in management」)。

 女性の社会進出の低さが、日本社会・経済の成長の可能性を阻害しているのは明らかだ。それについて、「昭和の保守派」たちはどうお考えなのか、お聞きしたいものだ。

「サザエさん」のような一家だんらんが日本の家族のあるべき姿?

 次に、「昭和の保守派」たちに聞きたいのは、彼らが伝統的な「家族」に非常にこだわっていることの弊害だ。「サザエさん」のような一家だんらんが日本の家族のあるべき姿だというのだが、そんな人たちの支持を受けた野党時代の自民党が作成した「自民党憲法改正草案」には、日本国憲法には存在しない「家族条項」と呼ばれる条文(第24条)が追加されている。

 これは、日本国憲法第24条の「婚姻は両性の合意のみに基づいて成立し」という文言を「二人だけで決めて、親を排除しなさいと言っている」「日本の家庭は崩壊の一途をたどり、家族の絆は失われつつある」と批判して設けられたものだ。

 しかし、家族の崩壊を憲法のせいだというのは、あまりに論理が飛躍している。

 日本の家族形態が多様化したのは、発展過程での普通の変化だ。産業化・都市化が進み、価値観が多様化すれば、どこの国にも起こる。祖父母・夫婦・子どもが同居する「標準家族」が多数を占める社会に、国家が「価値観」を押し付けて戻すことなど、絶対に無理である。

 むしろ、家族形態・価値観の多様化という現実を積極的に認めたほうが、日本の「少子化」の克服、経済成長、社会の発展につながるのではないだろうか。