三つ目が、面接中の生活音に気を付けること。Web面接では、ずっとPCなどの画面を見続けなければならず、就活生も採用担当者も集中力を保ち続けるのが難しい。そんなときに、「後ろにお母さんが映りこむ」「生活音がする」といったことが起きるだけで、そちらに気が取られてしまうのもWeb面接ならではの問題だ。お互いの集中力を切らさずに、面接だけに没入できるよう、家族と同居している人はなるべくその時間だけは協力を仰ぐようにしたい。
四つ目が、カンペの使い方に注意すること。Web面接になったことで、これまでの対面式とは異なり、カンペを置いて話すことも可能になった。増本所長はカンペを見ることについて、「これだけは絶対に言いたいことを漏らさないための『お守り』として使うのは悪くはない」としながらも、その使い方には注意を促す。
「カンペを一言一句違わずに読もうとする学生がいるが、カンペに気を取られたせいで企業側からの質問に答えていないケースも少なくない。面接は会話のキャッチボールであって、相手に聞かれたことにきちんと答えていなければコミュニケーションにならない。コミュニケーションとは相手に“伝える”ことではなく、“伝わる”ことだとぜひ理解してほしい」
Web面接では「本音」を見せる
コミュニケーションがより必要に
増本所長によると、「早く内定を取る学生ほど、主体的に就活をしていて、面接などでも本音で企業と話ができている」という。本音で話ができるからこそ、企業側も「うちが第一志望なのかどうか」を疑心暗鬼にならず知ることができ、安心して内定を出したり、内定後の引き留め工作を練ったりしやすい。
もし第一志望の企業でなかったとしても「第一志望かどうか」と尋ねられれば、「第一志望です」と答えなければならないと考えている学生は多いだろう。しかし、なぜ第一志望ではないかという明確な理由が言えて、それに納得できる度合いが高く、企業側もどうしても欲しい学生ならば、内定を出してくるだろう。
初めての入社試験、面接に緊張するのは当たり前だ。しかし、コロナ禍でWeb面接が主流になる中では、より本音でのコミュニケーションを心掛けることが、内定に一歩近づく大きな要因になるのではないか。