ルームの種類は3種類
プライバシー上の懸念も

写真:Clubhouse1

 ルームの種類は、登録者の誰もが参加できる「オープン」、自分がフォローしている人だけが参加できる「ソーシャル」、自分で選んだ人だけが参加できる「クローズド」の3種類があり、目的に応じて選択することができる。

 先の説明からもわかるように、サービス企業自身は、Clubhouseが「SNS」であるとは言っていない。そして実際も他のSNSに共通する要素を備えていなかったり、独自の制約をユーザーに課していたりもする。たとえば、ルーム内で利用できるコミュニケーション手段は「音声」に限られ、すべてリアルタイムでのやり取りとなって、後から聞き返すことはできない。あくまでも一般的な会話と同じくその場限りで、記録は一切残らない。ただし、Alpha Exploration自体は音声データを保存しており、プライバシー上の懸念は残る。

 また、ルームの主催者も参加者も、内容を何らかの方法で録音することはもちろん、メモを取ることすら禁じられている。もちろん、Alpha Exploration側でそれを確認する手段はなく、ユーザーの良識に任されている。

 確認手段がないのはユーザーの年齢に関しても同じで、Clubhouseの利用規約では18歳以上でないと登録できないことになっているが、これも自己申告のため、(真偽はともかく)プロフィールに中学生や高校生と書き込んでいるユーザーも存在する。

 ちなみに、アプリでのメンバー登録手続きは誰でもできるが、承認プロセスが招待制となっていて、すでにメンバーである人から招待されない限り、登録処理が完了しない。登録の際には電話番号が必要であり、これが、ある程度、成りすましや不正行為の抑止力となっているといえる。そして、規約違反が見つかった場合には、本人だけでなく招待した人のアカウントも停止され、再登録できなくなるので要注意だ。

話題とは裏腹に実際の認知度は
まだそれほど高くはない

写真:Clubhouse2

 Clubhouseは当初、SNSを通じたクチコミでその存在が知られていった感があり、一部の人たちは「とてもはやっているサービス」と捉えている。しかし、これに限らず、「ネット上でつながった人たちの間で盛り上がる話題」は、「世間的にも広がっている」と勘違いされやすい。確かに筆者の周りでも、Clubhouse関連の投稿を見かけない日はないが、実際には、まだ社会全体での認知度は低く、ユーザーになっているという人の割合もごく少ないのが実情だ。

 たとえば、2月2日にLINEが公表した調査結果(調査時点:1月30日。対象:日本全国の15~59歳の男女。サンプル数:1054)によると、Clubhouseを「知っている」の人は2割、実際に「いま使っている」か「招待待ち」という人になると2%にすぎない。Clubhouse関連の記事やニュースを見ると、中には自分が取り残されていると感じる人がいるかもしれないが、利用者のほうが圧倒的に少ないので安心してよい。

 登録メンバーには自動的に招待枠が2つ付与され、その後も、ルームの開催や他のルームへの参加をすると招待枠が増えていく。また、登録手続きの際にフォローした人の連絡先に自分の電話番号が登録されていると、先方に「招待待ち」であることが通知され、少し前までは、この場合に招待しても招待枠が減らない仕組みになっていたが、現在は招待した分だけ減るように変更された。いずれにしても、Clubhouse全体の招待枠はねずみ算的に増える計算となり、少し待っていれば身近な人から招待を受けられるようになるはずだ。