記者会見で質問に答えるエルピーダメモリの白井康雄最高財務責任者と坂本幸雄社長
当時、会社更生法の適用を申請し、記者会見で質問に答えるエルピーダメモリの白井康雄最高財務責任者(右)。左は坂本幸雄社長(東京・日本橋兜町の東京証券取引所) Photo:JIJI

コンサルが入っても経営がうまくいかない企業があるように、どんなに優秀な経営者が入っても、不幸な状況が重なり、結局、倒産してしまう企業がある。筆者の経験の中でも印象深いのがエルピーダメモリの倒産だ。同社の経営がうまくいかなかった遠因や背景について、筆者が感じたこととは。(リポタ株式会社代表取締役、経営コンサルタント 中野豊明)

当時、戦後最大の負債額
エルピーダメモリの倒産

 2012年2月、「DRAMの寵児」ともいわれた坂本幸雄氏が率いるエルピーダメモリは、日本の製造業では、当時、戦後最大の約4480億円の負債を抱え、会社更生法の適用を申請した。

 坂本氏の自著によると、いくつかの不幸な出来事が重なったものの、主たる原因はメインバンクの不在と極端に円高に振れ、それが長期化していた当時の為替状況だとされる。

 しかし、私は、半導体業界では避けられない「買収」や「統合」という経営手法にも、その遠因があったのではないかと推察する。