銀行が斜陽産業化する中で、圧倒的な顧客基盤を武器に勢力を拡大してきた小売業発の金融サービス。とりわけ1日に4000万人を超す来店客をターゲットにしたATMなど、コンビニ業界が手掛ける「コンビニ金融」は既存の商業銀行がうらやむ象徴的な存在だ。キャッシュレス決済の普及やリアル店舗の飽和といった小売業の転換点で、成長に向けた次の一手とは何か。特集『コンビニ金融最前線』では、3月1日(月)から3月7日(日)までの全8回にわたり、暗中模索する各社の実像に迫る。(ダイヤモンド編集部 中村正毅)
#1 3月1日(月)
伊藤忠・ファミマ連合が「大きな挫折」を経て消費者金融へ参入を決めた舞台裏
ファミリーマートを基点に消費者金融への参入を表明するなど、個人向け(リテール)金融で攻勢を掛ける伊藤忠商事。あえて銀行免許を持たず、規制緩和で参入障壁が低くなった分野に一気に踏み込む戦略の背景にある、大きな「挫折」とは。その舞台裏を探った。
#2 3月2日(火)配信
セブン・ローソン…コンビニATM利用減!キャッシュレス急進で構造転換待ったなし
コロナ禍とキャッシュレス決済の急速な普及で、コンビニ金融の牙城だったATMの利用件数がついに減少に転じた。足元では給与のデジタルマネー払いが現実味を帯び、現金需要がしぼむという構造転換の波に、小売り各社はどう立ち向かっていくのか。
#3 3月2日(火)配信
セブン銀行「ATM手数料収益が9割」にコンビニ市場飽和とキャッシュレスの大逆風
コンビニの大量出店と歩を合わせるかたちで、ATM事業で成長を続けてきたセブン銀行。しかし、コンビニ市場の飽和とキャッシュレス決済の普及が強烈な逆風として吹き付け、屋台骨を揺るがし始めている。
#4 3月3日(水)配信
セブン&アイの金融2トップが語る、「ATM一本足経営」脱却の真実味
ATM事業がじり貧の様相を呈する中で、セブン&アイグループとして今後どう金融事業を拡大していくのか。セブン銀行と電子マネーなどを所管するセブン・フィナンシャルサービスの両社長に、中長期の成長戦略について聞いた。
#5 3月4日(木)配信
出遅れローソン銀行に漂う閉塞感、ローソン・三菱商事のグループ支援も薄く
セブンやイオンから「周回遅れ」で新規参入したローソン銀行。金融機能の強化による収益の上積みを狙ったものの、その成果はまだ見えない。親会社のローソンや三菱商事による経営の側面支援はいかにも弱く、グループ内には閉塞感が漂い始めた。
#6 3月5日(金)配信
ローソン銀行社長に聞く、「決済プラットフォーム掌握」は本当にできるのか?
銀行業参入から2年余り。情報技術(IT)と金融が融合したフィンテックの台頭で、銀行業界を取り巻く経営環境は大きく様変わりした。銀行免許を持つことのメリットが次第に薄れる中で、ローソン銀行が描くコンビニ金融の姿とは。
#7 3月6日(土)配信
「幻のイオンペイ」が再始動、イオンがひた走る巨大総合金融への道【独自】
銀行とクレジットカード事業を軸に、規模拡大を続けるイオン金融。昨年には生命保険会社を傘下に収め、総合金融ナンバーワンの座を射程に捉えた。さらなる事業成長に向けて、イオンが繰り出す次の一手とは果たして何か。
#8 3月7日(日)配信
イオン金融部門2トップが力説「GAFAにはないリアルの強みを追求」の真意
8兆円企業の稼ぎ頭になっているイオンの金融部門。事業全体を統括するイオンフィナンシャルサービスと、中核会社イオン銀行の両トップに今後の戦略について聞いた。
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