就活の行動量を増やすことで
後悔のない就職につなげられる

 ただし増本所長は、「第一志望の企業に入ることが、就活の全てではない」と語る。それ以上に重要なのは、入社予定企業に就職することへの「納得度」だからだ。

 実のところ、コロナ禍で思い通りの就職活動ができなかったと思われる21年卒学生の入社予定企業への納得度は、19年卒学生(67.4%)や20年卒学生(75.4%)を上回り、77.8%となった。より具体的に見ていくと、「第二志望以下の志望企業群」「当初は志望していなかった企業」に入社する21年卒学生の納得度は、それぞれ79.4%と65.0%となり、これも20年卒を上回っているという。

「近年は売り手市場ということもあり、学生の就職にかける行動量は年々減少していた。しかし、21年卒についてはオンライン形式とはいえ、行動量が増えたことで、自分自身とより向き合い、業界や企業のことをよく調べることにつながった。こうした懸命な活動は、就職を納得度の高いものにできる」(増本所長)

 22年卒の学生は、コロナ禍での就職難を恐れて動き出しが早い、行動量が多いと言われているが、これはどんな結果になるにせよ、納得度の高い就職につながることだろう。

選考スケジュールは前倒し
面接のピークは3月、4月に

 21年卒ではWebを活用した採用選考が広がっていない中で緊急事態宣言が発令されたため、多くの企業で選考スケジュールが後ろ倒しになった。しかし、22年卒についてはすでにWebの活用が広がっているため、増本所長も「エントリーシートの締め切りや、面接選考の時期は前年よりも早くなることが予想される」と語る。
 
『就職白書2021』によると、新卒採用実施企業のWeb面接の開始時期については、3月が25.8%、4月13.0%。対面の面接も3月23.0%、4月16.2%とピークがまもなくやってくる状況だ。

 エントリーシートの書き方、Web面接の練習など、まだ準備が整っていない就活生は、先輩や大学のキャリアセンターなど周りの力も借りながら、早めに来るべき本番に備えてほしい。