現代人の脳には“毒”が溜まっている!
無意識に溜まった脳の“毒”を出して
脳がみるみる若返る食事法を紹介する

脳の若返りと認知症治療の専門医・白澤卓二医師が提案する衝撃の最新刊『脳の毒を出す食事』では、現代人の脳に溜まった毒を出し、脳の機能を上げる食事法を紹介している。
現在、認知症患者数は増加の一途。その発症を避けるには、40代からの脳のケアが大切だと著者はいう。本書では世界最新の医学で明らかになった認知症予防・改善策と、その研究からわかった脳のパフォーマンスを上げるために必要な食事を提案する。

牛肉 赤身Photo: Adobe Stock

肉食派は、赤身で決まり!

一般に多く流通している牛肉のエサは、大豆やとうもろこしなどの穀類です。穀類は糖質が多いので、脂身が増えてしまいます。速く育てるために発がんリスクのある肥育ホルモンを使う国もあります。日本では使われておらず、オーストラリアでは使用が認められているものの、日本向けの牛肉には使われていないようです。アメリカではいまでも肥育ホルモンの使用が認められていて、日本への輸出に関する規制もないので安心できません。また、日本では窮屈なスペースで育てられることも多く、病気の集団感染を防ぐために抗生物質を与えられている可能性があります。

一方、牛肉でもっとも安心なのは、グラスフェッドビーフという牧草を食べて育った牛です。広い牧草地で放牧されて、食べるのは本来牛が食べていた牧草。ほとんど糖質を含まない牧草を食べているので、脂肪が増えすぎず、ビタミンが豊富な赤身肉になります。最近では、オーストラリアやニュージーランドからの輸入グラスフェッドビーフのほか、国産のものも手に入るようになりました。

国産の豚肉も鶏肉も、肥育ホルモンは使われていませんが、抗生物質の投与はまだ行われているようです。すべての肉について飼育方法を確認することは難しいので、出所のわからない肉はできるだけ食べないのが望ましいと思います。

肉で亜鉛不足を解消する

とはいえ、牛肉や豚肉の赤身肉には現代人に不足している亜鉛が豊富に含まれています。ですから肉を食べるのは亜鉛のためと割り切って、赤身肉を野菜の味付けになる程度の量だけ食べるのがいいでしょう。たんぱく質は1日に体重1キロあたり1グラム、体重60キロなら60グラムを食べれば十分です。たとえば牛肉の生の赤身肉100グラムには、およそ20グラムのたんぱく質が含まれています。肉だけで足りないたんぱく質は卵や小型魚、貝類、大豆製品などから補給してはいかがでしょう。

本原稿は、白澤卓二著『脳の毒を出す食事』からの抜粋です。この本では、認知症など脳の機能不全の原因となる、現代人の脳に溜まった”毒”を出して究極の健康体になる食事法の提案と、実生活で使える7日間実践レシピを掲載しています。脳と体を健康にし、本当の意味での健康長寿を目指してみませんか?(次回へ続く)

監修 お茶の水健康長寿クリニック院長 白澤卓二先生
1982年千葉大学医学部卒業後、呼吸器内科に入局。1990年同大学院医学研究科博士課程修了。現在、お茶の水健康長寿クリニック院長。
国産? オージー? アメリカ産? <br />安全な肉の食べ方を考える

白澤卓二(しらさわ・たくじ)
医師、医学博士
1958年神奈川県生まれ。1982年千葉大学医学部卒業後、呼吸器内科に入局。1990年同大学院医学研究科博士課程修了。東京都老人総合研究所病理部門研究員、同神経生理部門室長、分子老化研究グループリーダー、老化ゲノムバイオマーカー研究チームリーダーを経て、2007年より2015年まで順天堂大学大学院医学研究科加齢制御医学講座教授。2017年よりお茶の水健康長寿クリニック院長、2020年より千葉大学予防医学講座客員教授就任。日本ファンクショナルダイエット協会理事長、日本アンチエイジングフード協会理事長、アンチエイジングサイエンスCEOも務める。
専門は寿命制御遺伝子の分子遺伝学、アルツハイマー病の分子生物学、アスリートの遺伝子研究。