金利0.02%の定期預金で積み立てた場合には、25年後の資産額は約690万円であるのに対して、投信で積み立てた場合は、バランス型(運用利回り3%)で約1026万円、積極型(同5%)になると約1370万円にまで資産額がアップする。この結果が示すとおり、将来の資産形成には、定期預金よりも投資信託のほうがはるかに有効だ。

 ただし、投資する際には、リスクへの注意が必要となる。ハイリスクの投資で大切な資産を減らしてしまっては元も子もないからだ。例えば、株式に一括投資すると、大きなリターンを期待できる一方で、損失を被って二度と復活できないこともある。

「その点、投資信託を月に1万円など、コツコツ積み立てていくのは、投資対象も時間も分散されます。いきなり2倍、3倍に増えることはありませんが、長い間に少しずつ増やしていくことが期待できます」(山中さん)

 さらに、投資信託で積み立て投資を行う場合には、まず「iDeCo(個人型確定拠出年金)」を活用するのがオススメ。

 iDeCoは、自分年金をつくるために国が導入したお得な非課税制度。原則として20歳以上60歳未満の国民年金・厚生年金加入者ならば誰でも加入することができる。掛け金額は月々5千円から1千円単位で自由に設定することができる。ただし、原則60歳まで引き出しができないので、本当に老後資金以外には利用できない仕組みになっている。

 iDeCoの最大のメリットといえるのが、拠出・運用・受け取りの三つのタイミングで受けることのできる手厚い税制優遇だ。拠出時は、掛け金全額が所得控除の対象となり、その年の所得税の還付と翌年の住民税の負担軽減を受けることできる。

 所得と掛け金に応じた金額が還付され、会社員なら年末調整、自営業なら確定申告での手続きが必要となる。働き方や収入によって還付額は変わるが、年間数万円の節税になるなど、その効果は絶大だ。

 運用時は、運用益がすべて非課税となる。通常、投資信託などの金融商品で運用を行う際には、運用益に対して20.315%の税金が課されるが、iDeCoではいっさい税金がかからないため、運用益が出た場合、その分を元本に回せば、複利効果で資産を雪ダルマ式に増やしていくことも期待できる。

 受取時にも手厚い税制優遇が用意されている。iDeCoは、年金として分割で受け取る方法と、一時金として一括で受け取る方法、その両方を併用する方法の3パターンの方法を自由に選択することができる。年金で受け取る場合には公的年金等控除が、一括で受け取る場合には退職所得控除が、併用する場合はその両方が適用され、一定額まで非課税となる。特に退職所得控除の節税効果は大きく、iDeCoに30年間加入した場合、会社から受け取る退職金と合算して1500万円まで非課税となる。