写真を取り込めず、加工もできない
DispoはInstagramとは正反対の発想

「フィルムロール」は、ロールの色を選び、名前を入力し、共有範囲を設定すれば作成できる。撮影した写真は「フィルムロール」に保存される。それとは別に、撮影日ごとに整理されたライブラリとしても閲覧可能だ

 かつて流行した「レンズ付きカメラ」と呼ばれる使い切りのカメラは、元々「使い捨てカメラ」と呼ばれていたが、「Dispo」は、まさにその英訳の「Disporsable Camera」からアプリ名を採ったのである(2021年3月17日時点ではiPhone/iPadのみ対応)。

 Dispoの別の特徴として「フィルムロール」の存在がある。撮影するにはまずは(仮想的な)フィルムロールを作成する。フィルムロールは複数作ることができ、たとえば「今日の空」「うちの猫」のようにテーマごとに名前を付けることが可能だ。このフィルムロールを選択することで撮影可能となる。

 あとは、とにかく興味のある被写体や気になったものを撮影していくのだが、前述の通り、撮影した写真は翌朝の9時にならないと見ることができない。写真の仕上がりに関しては、ややコントラストが強めで、どこか懐かしい感じの印象だ。

 写真主体のSNSとしては「Instagram」(インスタグラム)が有名だが、DispoのSNS機能は、それとは似て非なるものだ。

 というのは、Instagramはカメラ機能を内蔵しておらず、どのようなカメラで撮影した写真も投稿することができる。また、いわゆる「インスタ映え」する写真に加工するための加工用のフィルターなどもそろっている。

DispoはほかのSNSのような強いつながりや「コミュニケーション圧」を感じることなく、「いいね」に相当する「スコアボード」を通じた緩いつながりを育むような仕組みになっている

 一方でDispoは、Dispoで撮影した写真のフィルムロールをそのまま共有することが基本で、他のカメラで撮影した写真を取り込んだり共有したりする機能はない。撮影した写真の加工などもできない。

 また、バグなのか意図的なのか、ときどき、構図やフォーカス、シャッターのタイミングがずれた写真が撮れることがある。記録用に写真を撮っておく、といった用途には向かない。

 そのため、DispoはInstagramで見られるようなビジネス向けのプロモーションなどには使いづらく、写真好きの人のためのゆるいコミュニティーという色合いが強い。しかしそこがDispoの魅力でもあり、「音声」に特化したClubhouseが(爆発的な人気とまでは至っていないにしても)それまで情報発信をしてこなかった人にも受け入れられたように、「写真」を通じて新たなつながりを生む可能性を感じられる。