厚生労働省は3月17日、妊婦の血液から胎児のダウン症などを調べる新型出生前診断(NIPT)について、国が施設の認証にかかわる方針を明らかにした。日本産科婦人科学会の指針に従わない認定外施設が急増する中、正確な情報を提供する必要があると判断したことが背景にある。筆者の妻もNIPTを受けており、その立場からも多くの人にNIPTを知ってもらうべきだと考えている。(元衆議院議員 宮崎謙介)
妊婦の血液検査だけで
出生前診断が可能に
皆さんは、出生前診断という言葉を聞いたことがありますでしょうか。
多くの方は聞きなじみがないかと思います。ですが、実は多くの人に関わるものなのです。
出生前診断とは、胎児の健康状態を確認する検査のことです。広い意味では定期検診などで行うエコー検査なども含まれるのですが、一般的には胎児の染色体異常の検査のことを指します。
近年は技術の進歩が目覚ましく、そうした中で可能となったのが、妊婦の血液だけで検査ができてしまう新型出生前診断(NIPT)です。
実は最近このNIPTについての議論が国内で巻き起こっています。NIPTとは妊婦のおなかの中にいる胎児のDNA検査です。妊婦から採血し、血液に含まれる胎児のDNAを分析します。