コルチゾールはストレスを感じたときに分泌され筋肉を分解する作用を持つホルモンなので、射精によってトレーニングで蓄えた大切な筋肉が分解されやすい状態になってしまうんです。また、精液には亜鉛やアルギニンが多く含まれているため、これらの栄養素も失ってしまう可能性があります。

 つまり、大事な試合の前に性的興奮によってテストステロンの分泌を高めるのはいいことずくめですから、可能であれば「接して漏らさず」を守ってもらえればOKということになります。

「接して漏らさず」は、江戸時代の儒学者であり医学者でもあった貝原益軒が『養生訓』の中で書いた教えですが、こんなところに生かされるわけですね。

筋トレをするのに最も効果的な時間とは

 外見にも内面にも影響を及ぼすテストステロンですが、できるだけテストステロン量が低下していくスピードを緩める方法はあるのでしょうか。日常の中で気軽に取り組めてテストステロンの分泌を促すのに効率的なのが、やはり筋トレです。男性では特に、大筋群と呼ばれる大きな筋肉を使ったエクササイズにおいて、運動中のテストステロンの上昇が見られます。

 人体最大で最重量の筋肉といえば、大殿筋です。この大殿筋は股関節伸展(太ももを後ろに伸ばしていく動き)や股関節外旋(ガニ股にする動作)などでおもに働きますが、単独で動くことはありません。必ず中殿筋やハムストリングスといった、下半身を代表するような筋肉群と共同して働きます。

 大殿筋をメインとしたお尻を鍛えるエクササイズをすることで、最小の労力で最大限の筋肉が刺激される大きな効果が得られます。テストステロン値を高めるためにも、筋トレではまず「お尻から攻める!」。これが王道です。

 男性では、一般的にもっともテストステロンが高いのは朝。1日の中で時間が経つにつれて減少していきます。1日を通してテストステロン値を高めたいのであれば、午後にエクササイズを行うのが効果的。スケジュールを上手に調整して、午後から夕方に筋トレができるように工夫してみてください。