首都圏の企業より地元企業に
大学エリア内で就職する学生が増加
就職みらい研究所の増本全所長は、「その他地域」で計画の新卒採用数を充足できた企業が増えていることについて、次のように分析する。
「事業環境の変化で企業が『採用数を減らした』ことも背景にある一方で、就活生がコロナ禍で『今、住んでいるエリア内』での就職を志向したことが影響している可能性がある」
就職みらい研究所が発行する『大学生の地域間移動に関するレポート2021』(21年3月)では、どの大学キャンパス所在地にいる学生がどの地域にある企業に就職しているのか、そのパターンを11のエリア(北海道・東北・北関東・首都圏・北陸甲信越・東海・京阪神・近畿・中国・四国・九州)に分けてレポートしている。
詳しく見ていくと、東北・北陸甲信越・東海・中国・九州エリアから首都圏にある企業へ就職した人の割合は、19年卒と比較して低下。特に中国・九州からの転入は、10ポイント以上も減っている。
一方で増加したのが、同エリア内で就職した人の割合だ。東北・北陸甲信越・東海・中国・九州エリアでその傾向が見られ、中でも中国エリア内で就職した人の割合は、19年卒と比較して20ポイントもアップした。
「就職活動での移動による『感染リスク』を避けるために、大学キャンパスのあるエリアでの就職活動を選んだ人が結果的に多くなったのではないか」(増本所長)