ワクチン接種で出遅れていても
日本経済は上向くと言える理由

 では、この先の未来を考えると、ワクチン接種が遅れた日本はどうなるのでしょうか。実は遅れてはいるけれども、季節がわたしたちに味方をしてくれそうです。感染者グラフを見れば、前回の緊急事態宣言につながる新型コロナの第3波が始まったのは、昨年の11月初旬あたり。言い換えれば、冬の寒さが始まる今年の11月までにワクチン接種が進めば、計算上日本も間に合う。そして未来予測上、この季節が味方することは日本経済にとって非常にプラスになります。

 日本のワクチン接種は予定より遅れていて、最優先の医療従事者へのワクチン投与から始まって、今ようやく高齢者への接種が始まった状況です。自治体ごとに進捗のばらつきがありますが、東京都新宿区の場合は高齢者施設などの入所者への接種が始まったところで、その次の段階として5月17日ごろに75歳以上の後期高齢者に接種の案内が届きそうです。

 そして厚生労働省は3600万人の高齢者への優先接種を目指していて、6月末までに65歳以上の高齢者全員に2回接種する分のワクチン配送が完了する予定で、スケジュールを進めています。

 一応、そのスケジュールも遅れる可能性を想定する必要があるとは思いますが、未来予測の観点で言えば、7月には高齢者にはほぼワクチンの供給が完了することが想定できます。そしてその先の供給についても、菅首相がファイザーのトップと直接交渉したという報道があるように、順調にワクチン供給が続くという前提を置いてみます。

 高齢者の接種が終わった後の優先順位はまだ発表されていませんが、新型コロナによる死亡者の大半は高齢者であり、次いで多いのが40代以上であることを考えると、40歳から65歳までの約4200万人の接種状況が重要でしょう。そのように対象を絞れば、季節的なタイムリミットである10月末までにはワクチン接種はこの層まで到達しそうです。