リスキリング
実際にリスキングを進めるには、どんなステップを踏めばいいのでしょうか(写真はイメージです) Photo:PIXTA

企業がDXを推進するためには、従業員にデジタル関連のスキルを獲得してもらう「リスキリング」が欠かせない。では、実際にリスキリングを企業内で進めるには、何から始めればいいのか。リクルートワークス研究所の「DX時代のリスキリング」プロジェクトの研究を通して明らかになった、企業内でリスキリングを進める方法、それにと伴って整えるべき環境について、リクルートワークス研究所の孫亜文アナリスト/研究員が解説する。

リスキリングに必要な4つのステップ

 企業がDXを成功させるために欠かせない「リスキリング」を、いざ自社で始めるとき、どのようなプログラムが有効でしょうか。残念ながら、現時点では、日本国内に参考となるような包括的なリスキリングプログラムは見当たりません。

 また、各企業の戦略転換の内容によって、求められるリスキリングプログラムも異なるでしょう。外部の学習プログラムを活用するにしても、どのような学習プログラムが自社の従業員にふさわしく、成果につながるのかを判断し、場合によってはイチからプログラムを設計する必要があります。

 そこでリクルートワークス研究所の「DX時代のリスキリング」プロジェクトは、このように手探りでリスキリングの仕組みを作っていく場合であっても、絶対にはずせない4つのステップがあることを明らかにしました。

【ステップ1】スキルを可視化する

 第1のステップは、スキルの可視化を行い、それを継続していくことです。

 スキルの可視化とは、どの人がどんなスキルをどのレベルで保有しているのか、あるいは、どんな仕事で、どのようなレベルの何のスキルが必要なのかを明らかにすることを指します。スキルの可視化を行うと、社内に存在する、あるいは必要なスキルを一覧できるスキルデータベースやスキルマップを作成できるようになります。

 しかし、多くの日本企業では、それぞれの職務に必要なスキルを定義しきれていません。また、一人ひとりの従業員がどんなスキルを持っているかも、厳密には明らかにしていません。なぜなら、日本企業には、特定のポジションに必要とされるスキルを厳密に示さないことで、自由自在に役割定義を変更しながら人材を活用してきた、特有の文化があるからです。