企業が従業員向けにリスキリングを提供する場合は、まず、どんな仕事が今後必要で、その仕事をする人が持つべきスキルとは何かを明確にします。その上で、それを身につけるための最適なプログラムを峻別して、効果の高い学習プランを作ります。これは企業のみならず、プログラムを受ける個人にとっても大きなメリットと言えます。
ところで、多くの日本企業は、教育プログラムは自社で開発(内製化)したいと考えがちですが、リスキリングを行うための学習プログラムは、必ずしも内製したものである必要はありません。クラウドサービスやさまざまなビジネスアプリケーションを提供しているMicrosoftやGoogleなどでは、自社製品をユーザーが使いこなすための学習コンテンツも、同時に提供しています。
また、Udemy、Coursera、LinkedInラーニングなどのオンラインの教育コンテンツプロバイダーによって、汎用的なデジタルスキルの学習プログラムも提供されています。
テクノロジーの進化のスピードは速く、デジタルスキルは日々変化していきます。イチから内製化するよりも、外部のコンテンツ提供者とうまく連携していくことで、いいリスキリングの学習プログラムを効率的に設計できるでしょう。
【ステップ3】学習に伴走する
第3のステップは、従業員が順調に新たなスキルを習得できるように、個人の学習の進捗を確認し、学習を促進することです。
企業が計画的に従業員のスキルや能力を高めようとするならば、誰が何をいつまでに学ぶかという全体の学習計画を策定するだけでなく、一人ひとりの学習の進捗と理解度や到達度を把握する必要があります。
近年では、こういった機能を提供するテクノロジーとして、学習管理システム(Learning Management System)の活用が進んでいます。LMSを活用すれば、企業サイドで、各人の学習の進捗を把握するだけでなく、従業員自身も自分の学習の記録や学習による獲得スキルを確認できます。