僕が「保険」を売っている
絶対に揺るがない理由とは?

 ただ、もちろん、僕が保険営業をやっている理由はそれだけではありません。

 僕だって、単に「日本一の営業会社で日本一」になるという動機だけで、プルデンシャル生命保険に入ったわけではありません。自分がその「価値」を認められない、あるいは「価値」を理解できない商品を売ろうとは思いません。「保険」というものに、心の底から「価値」を認めていた、もっと言えば、「感謝」していたからこそ、僕はこの「道」を選んだのです。

 実は、僕は、京都大学には現役で合格したわけではありません。

 現役のときも浪人のときも模試では常にA判定だったので、予備校では遊んでいて、はっきりいって受験をナメていたと思います。そして2回も京都大学に不合格となり、早稲田大学に入学することになったのです。

 そして、京大への未練はありましたが、早稲田でアメフト部に入って、チアリーダーの彼女ができたりして、東京での生活を満喫していました。ところが、1年生の11月に実家の事業が破綻。両親が自己破産を余儀なくされる事態に陥りました。

 母親が電話をしてきて、「こっちはどないかするから、あんたは帰ってきたらあかん」と言ってくれました。気丈な母親でしたから、本気で僕の学費をなんとかしようと思っていたのだと思います。

 だけど、僕は理系だったので、学費だけでも年間160万円。それに、アメフト部の活動費や生活費がかかるわけですから、どう考えてもそんなお金があるわけがない。だから、僕はほとんど即座に、早稲田を退学することを決断。12月に大阪の実家に戻りました。

 実家に戻ると、ひどい状況でした。

 本当にお金がない。ご飯を食べるのもままならないような状態だったのです。これまで当たり前に使っていた「1万円」というものが、どれだけ貴重なものであるか、このとき僕は骨の髄まで味わわされました。

 だから、長男である僕は、大学はあきらめて働くほかないと思いました。しかし、これに家族は「なんとかするから、あんたは大学にいきなさい」と猛反対。実は、僕の両親は高卒の元ヤンキー。英語も読めないから、カラオケに行くと英語の歌詞の上に書いてあるカタカナを読んでいる。そういう両親だったから、息子の僕にはなんとしても学歴をつけさせたかったのでしょう。

 その気持ちも、僕には痛いほどよくわかりました。

 だけど、これだけは僕も素直に「ありがとう」と言えませんでした。「家がこんな状態なのに、大学なんかに行っている場合ちゃうって。長男である俺が働いて、家をなんとかするしかないやろ」と両親と言い合いになりました。

自分が「売る商品」の価値を
心の底から語れるか?

 そこに、割って入ったのが祖母でした。

「お前は大学に行け。金は私が出したるから」
「どこにそんな金があんねん?」
「そんなもん保険解約したら一発や」

 なんと、祖母が長年積み立てていた保険があったのです。そして、「お前、これまで父ちゃん、母ちゃんがどんな想いでお前に学校行かせとったかわかるやろ? 金は私が出すから、大学に行け」と言われたときには、僕は涙が止まりませんでした。

 ただし、状況は最悪でした。

 僕が大阪に帰ってきたのは12月。大学の試験は2月ですから、ほぼ2ヵ月しかない。普通に考えれば「無理」な話です。

 だけど、逆にこれがよかった。家族の気持ちの後押しもあって、僕は、完全に腹をくくることができました。そして、二度も受験に失敗した京大にリベンジする絶好のチャンスだと捉えて、受験勉強に没頭。寝ているとき以外の時間はすべて勉強していたと思います。我ながら、集中力も半端じゃなかった。それで、なんとか2ヵ月の受験勉強で京大に合格することができたのです。

 このような経験をしていた僕にとって、「保険」とは、まさに人生を救ってくれたかけがえのない商品なのです。

 だからこそ、僕自身、社会人になってすぐに高額の生命保険に入り、結婚したり、子どもが生まれたりするたびに、増額を繰り返してきたのです。自分の愛する家族の人生を守るために、絶対に必要な商品だと確信しているからです。

 このような話を、僕は、すべてのお客様に包み隠さずお話してきました。

 そして、「だからこそ、僕は、自分が信じる『保険』というサービスについて、正しい情報をお伝えしたくて、保険の営業マンになりました。もちろん、保険に入るかどうかを決めるのはお客様です。だから、保険に入ってくださらなくても、全然構わないんです。ただ、正しい情報をお伝えするチャンスをいただければありがたいんです」とお話すれば、ほとんどのお客様は納得してくださいました。

 むしろ、僕の人生に共感を寄せてくださって、「実は、僕もね……」などと、問わず語りに、ご自分の人生について語り始めてくださった方もいらっしゃいました。そこから、深いコミュニケーションが始まっていくのです。

 大事なのは、「なぜ、その商品を売っているのか?」を深く深く掘り下げることです。そして自分の言葉で自分のストーリーを話せるようになることです。

 それは、セールス・スクリプトには書いてありませんし、世界中の書物やインターネットを調べても絶対に出てきません。答えは、僕たちの人生のなかにしかないのです。その意味で、営業マンとしての成功、もっと言えば、ビジネスマンとしての成功とは、「自分の人生」を深く理解するところから始まるのかもしれません(詳しくは、『超★営業思考』に書いてありますので、ぜひお読みください)。