具体的には、日本政府が外為法に基づいて楽天グループから定期的に聞き取り調査を行い、米当局と内容を共有して、中国への情報流出リスクに連携して対処すると報じられた。

 日米両政府の動きに対し、楽天グループの三木谷浩史会長兼社長(以下、「三木谷氏」)は4月30日、中国企業のテンセントから出資を受けたことをめぐり、情報流出などへの懸念が指摘されていることについて「何をそんなに大騒ぎしているのかまったく分からない」と懸念の声を一蹴した。

 また、三木谷氏は「何のことで監視をしているのか。(テンセント子会社は)米テスラなどにも投資している一種のベンチャーキャピタルだ」とも述べた。

 わが国の外為法は、外国人等投資家に対して、安全保障に関わる分野で、国内企業への出資を制限している。外資規制は、多くの国で導入されている制度だ。

 昨年、改正外為法が施行され、いわゆる“ポートフォリオ投資”と呼ばれる制度が新設された。ポートフォリオ投資とは、安全保障に関わる分野に属する日本の上場企業を対象にした制度だ。

 改正外為法では、外国人等投資家に事前届け出を求める出資比率の基準(閾値)を10%以上から1%以上に厳格化した。

 一方、資産運用目的で経営に関与しないポートフォリオ投資(純投資)の場合は事前届け出を免除する仕組みを設けた。

 財務省は「外為法改正案についてのよくある質問」の中で、事前届出免除を受けるために守ることが求められる基準とは、以下の3基準であるとした。