TikTokの大問題#4
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中国IT業界を代表する3強、それがバイドゥ、アリババ、テンセントから成るBATだ。今、この構造に変化が生まれている。特集『ここからが本番 TikTokの大問題』(全5回)の#4では、バイトダンスの台頭によって変化した中国ITの業界地図を俯瞰する。(ダイヤモンド編集部特任アナリスト 高口康太)

中国のBAT
支配企業に変化が

 今どきGAFAという言葉を知らない人はいないだろう。グーグル、アップル、フェイスブック、アマゾンという、米国を代表するITプラットフォームの4社を指す造語だ。

 GAFAと比べると知名度は一段劣るとはいえ、BATという言葉もかなりよく使われるようになった。中国検索最大手の百度(バイドゥ)、中国EC(電子商取引)最大手のアリババグループ、ゲームとメッセージアプリで中国最大手のテンセントの3社の頭文字を取った造語だ。時にEC大手JDドットコムも加え、BATJと呼ばれることもある。いずれも1990年代後半に創業し、2000年代半ばから後半に中国を代表するIT企業に成長している。

 BATは単に中国を代表する企業というだけではなく、祖業以外のさまざまな事業領域に進出しているほか、台頭する新興企業にも積極的な出資を行っている。

 例えば動画配信サイト業界は典型的な事例だが、百度出身の愛奇芸(アイチーイー)、アリババグループが買収した優酷土豆(ヨークートゥードウ)、テンセント直営サービスのテンセントビデオという3強が戦っている。こうした構図はさまざまなジャンルで共通しており、まさにBATによる三国志的構図が描かれてきた。

 だが、近年ではその状況が大きく変化した。モバイルインターネットという新たなテクノロジートレンドによって脱落した企業、台頭した企業が現れたためだ。モバイルインターネットの大波に乗って登場した四大新興企業はTMMDと呼ばれている。