小林化工と日医工の過度な「安定供給主義」、圧力の正体とは?Photo:PIXTA

 小林化工、日医工と相次ぐ後発品企業の品質問題をめぐる不祥事で、「ジェネリック」の名称で信用を得てきた後発品が、再び「ゾロ」と蔑まれている。後発品大手の日医工(富山県富山市)は、品質などを理由に20年4月から今年1月までに75品目を上回る製品を自主回収。20年12月には、小林化工(福井県あわら市)の経口抗真菌剤に睡眠剤が混入し、245人が健康被害を訴え2人が死亡した。両社とも承認書と異なる方法で後発品を製造していたことが判明しており、医薬品医療機器法に基づきそれぞれ行政処分を受けた。

 一連の不祥事が報道されると、SNSには「こういうことがあるから、わたしは『ゾロ薬』は服用しません」「これだからゾロは…と言われても仕方ない」。そんなコメントが相次いだ。長年、後発品企業はテレビCMを流してイメージアップを図ってきたが、わずか数カ月で信用を失ってしまった。

 このような不祥事があると当然のごとく、日医工と小林化工へのバッシングが起きるわけだが、だからと言ってこの2社をとにかく叩けば解決するほど単純ではない。もちろん2社は猛省し、再発防止策を講じる必要がある。しかし、根本原因はこの2社を含めた後発品業界を取り巻く構造的な部分に起因する。20年にわたる後発品使用促進策。つまり、政府の後発品行政の「失敗」に目を向けずに再発防止は図れない。