哲学に興味を惹かれた瞬間

 その時代になんとなく、哲学とは世界の仕組みを丸ごと理解させる面白い学問だと思ったのです。

 僕が大学に入った頃は、学生運動の時代でマルクスが大流行でした。
 マルクスの考え方は、ヘーゲルをさらにわかりやすくしたもので、「生産関係」をベースに現在は資本家と労働者の対立があって、歴史がどんどん前に進んでいく、いわゆる「進歩史観」というやつです。

 学生の頃は誰でも正義感が強いので、どんどん世の中がよくなっていくのは気持ちがいい。いいヤツも悪いヤツもいて、いいヤツが勝って歴史が前に進んでいく感じで、それが大学1回生のときに、哲学に興味を惹かれた最初の瞬間だったような気がしています。

 過去の僕の『哲学と宗教全史』全連載は「連載バックナンバー」にありますので、ぜひご覧いただき、楽しんでいただけたらと思います。

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