最初に読んだ哲学書は?
そもそも僕自身が哲学をいつ面白いと思うようになったかといえば、大学の1回生のときに、初めて哲学書を読み始めた時です。
僕は三重県の田舎の出身でしたからやることがなくて、小中高の図書館の本はほとんど読みました。でも、おもに読んでいたのは文学書で、哲学書は図書館にはそれほどなかったので読みませんでした。
僕が大学に入ったのは1967年。その頃は学生運動がさかんでした。
大学(法学部)に入ったら、都会からきたクラスメートは、高校時代にみんな、マルクスとかレーニンを読んでいたのです。
でも、僕はまったく読んでいなかった。すると友人から、
「おまえ、まだ読んだこともないのか」
と言われた。となると、やっぱり悔しい。
だから大学生協へ行き、マルクスの哲学の本を買った。
最初に手にした哲学書は、マルクスの『経済学・哲学草稿』(城塚登・田中吉六訳、岩波文庫)だった気がします。
読んでみたらそこそこ面白い。
マルクスの著書をいくつか読んでいったら、次はヘーゲルが読みたくなった。
ヘーゲルを読んでみたらよくわからなかったのですが、それでも「哲学ってなんか面白いな」と思ったのです。