「ジャンプ」で骨を強くする

小竹 私もご協力させていただいた、本書の「体力」のカテゴリーは、本当にいま最新のことが書いてあり、食についても全体に網羅されていいてすごくいいなと思いました。

「食育」というと栄養素など細部に寄りがちですが、栄養のとり方や、外食、おやつ、などと広い視点から「食事という行為」を捉えている。迷ったらこの1冊でまかなえますね。

加藤 栄養は全体でバランスを整えることが大事なんですよね。週に1回くらいなら、そして家族みんなで楽しめるのなら、ファストフードだって全然いい。

 教育分野において「体づくり」は、これだけ単体で取り上げても読まれにくく、注意が行き渡りにくいところがあります。でも、現場の研究者の先生の間では危機感が相当あるのを感じます。子どものスポーツに詳しい先生によると、握手しただけで骨折するほど骨のもろい子もいるそうです。

 特にいまは新型コロナウイルスの影響で運動しにくい状況になっていますよね。体力については、大事なところを抑えて最新の知識にアップデートしてほしいと思います。

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小竹 体力をつけるにはどうしたらいいんでしょうか?

加藤 子どもは最低でも1日1時間外で遊ぶ必要があると言われています。骨を強くするには、ジャンプしたりして骨に圧をかけないといけません

 スポーツでは、いまはマルチスポーツが注目されています。野球と水泳の両方をやったりして、体の同じ部位ばかりに負担をかけないことが大事だそうです。また、無理をしすぎず、きちんと体を休ませることも大切です。

小竹 スポーツ選手のお子さんに授業をすることもありますが、海外での活躍を視野にいれるなら、海外に置かれた環境でどうタフに生活できるかが大事ですよね。パフォーマンスに影響するから、食事や体力は言語より大事かもしれない。

一緒に「料理」を楽しむ

加藤 ハーバード大学でも教えられていた柳沢幸雄先生(前・開成中学・高校校長)が以前おっしゃっていたのは、留学するなら簡単な和食を作れるようになってから行って欲しいと。カップラーメンばかりにならないよう簡単な料理を覚えておかないと、食事が貧しくなって、体力がもたなくなってしまう。

小竹 そう考えると親子で料理をするのは大事ですよね。うちもそこまで料理の教育をしているわけじゃないのですが……。

加藤 「一緒に料理をする」というのは本書でも取り上げたのですが、子どもと一緒に料理をするときは、全体の見通しを立てることが大事だそうです。一部分だけ任せるのではなく「全部のプロセスがこうだから、いまここだね」と。

 そうすると料理を筋道立って理解できますし、「何が足りないのか」「どうすべきか」と考えることができて、問題解決力にもつながります。

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