イラストを満載しながら、人体の動きをわかりやすく説明する『ねこ背は治る!』(小池義孝氏著/自由国民社)、1470円(税込)

 2011年11月の発売から、約1年で約19万部を突破。インパクトのあるタイトルと共に、静かなムーブメントを巻き起こしているベストセラーがある。その名も『ねこ背は治る!』(自由国民社刊)。

 著者は、都内で「一義流 気功治療院」を運営する院長の小池義孝氏だ。人の心と身体、健康についての専門家であり、気功による治療を通し、現代医療で行き詰まった人たちを日々救っている人物でもある。

 今年7月には、漫画を盛り込んだ『ビジュアル版 ねこ背は治る!』も発売され、こちらも約4万部の累計販売数を達成している。

 さて、この『ねこ背は治る!』だが、タイトルの通り、ねこ背になるメカニズムをわかりやすく説き、体の重心や大腿骨、肩甲骨、そして大腰筋などを意識するだけで、自ずと身体が変わっていくことを説いている。

 さらに特筆すべきは、ねこ背を治せるだけでなく、呼吸を深くし、腕力をアップさせ、歩くのが速くなるというメリットも生まれる。そんな人体の不思議を、イラストを多用しながらわかりやすく説き、お金も時間もかけずにトライできる点も、読者に支持された。同書は今年に入ってから、新聞広告を機に本格ブレイクを遂げ、5月頃にはネット上の口コミからさらに火がつき、リアル書店でも大ヒットを果たしたという。

 これほどのヒットを生む背景には、ねこ背に悩む潜在的読者の多さが想像できる。子ども時代から親や先生にねこ背を注意され、ひどいときには定規を背中に挿入され、背筋をまっすぐにするよう強要された経験を持つ方もいるのではないか。著者の小池氏もそんな1人だったというが、「ねこ背」の矯正は半ば精神論的に語られることが多かったように思う。

 本書を編集した、自由国民社・執行役員編集部長の竹内尚志氏は、ヒットの要因を次のように分析する。

「最初に企画書を見たときは、何それ? 面白そうだけど本当かな? という感じでしたね。ねこ背という比較的ニッチなテーマをタイトルに据えてインパクトを出したこと、さらには“読んで「知る」だけで体が変わる”というお手軽感のあるキャッチフレーズが、読者に響いたのだと考えています」

 その言葉の通り、本書では「ねこ背になる本当の原因は、正しく骨に乗れていないから」と解説し、人体の仕組みを理解できれば、自ずとねこ背は治せることがわかる。これにより、長年の悩みが解消されたと感じる読者も多いだろう。

 たかが姿勢と侮ることなかれ。正しい姿勢はエネルギー配分を最適にし、動作を力強く、そして優美なものにし、気持ちを明るく前向きにする。姿勢とはすなわち「心の状態」であり、「生きる姿勢」そのものを表しているのだと、本書は教えてくれる。精神を正しく働かせ、人生をも変えていくのだ。

 肉体と精神は直結しており、それは一生続いていく。ビジネスマン諸氏の皆さんも、自身の「姿勢」を今一度見直して、身体だけでなく精神のありようや生き方を振り返ってみてはいかがだろうか。あなたのビジネスや人生そのものも、変わっていくかもしれない。

(田島 薫/5時から作家塾(R)