「同性にも多様性はある」は事実だが

 さて、この騒動とは関係がないが、5月25日には、約10.5万人のフォロワーを持つ「独立研究者」山口周氏が、次のような内容のツイートをして賛同と批判を集めている。

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男性だけのカンファレンスには最近「多様性がない!」との批判が殺到しますが、これも恐ろしい考え方ですよね。本来、同性の人間のあいだにも豊かな多様性があるはずで、それをないことにして異性を入れておけばそれでよし、とする考え方は「多様性の本質」からむしろ乖離する状況を生むと思います。
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東大法学部を卒業した男女から成る弁護士の集団とアーティスト・シェフ・医者・漁師・ひよこ鑑定士・パイロット・弁護士からなる40代男性のグループでは前者の方が本当に「多様性がある」と言えるのか?本来的に考えられない問いです。
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 特にビジネスの場において、男性エリート層ばかりが目立つ場所に出ていくという多様性のなさが指摘されている現状において、「東大法学部を卒業した男女…」という特異な例を挙げることの意味はあまりわからないが、「同性の人間のあいだにも豊かな多様性がある」ことはもちろん事実である。

 だから、女性を何らかのグループに入れたり、何らかの選者や審査員に抜擢したりする際は、ぜひ個々人の多様性にも着目して、お飾りのように女性を1人や2人入れるのではなく、さらに多い数を入れてほしい。今の社会に対する、女性からのささやかな願いである。