【論破王】ひろゆきが語る「大企業」で働くリスクひろゆき氏(撮影:榊智朗)

現在、テレビやYouTubeで圧倒的な人気を集める、ひろゆき氏。
20万部を突破したベストセラー1%の努力』では、その考え方について深く掘り下げ、人生のターニングポイントでどのような判断をして、いかに彼が今のポジションを築き上げてきたのかを明らかに語った。
この記事では、ひろゆき氏に気になる質問をぶつけてみた。

ダメな大企業は潰れるべき

――コロナで危機に瀕している企業ってありますよね。そこで働いている人はどうすればいいですかね?

ひろゆき氏:いわゆる「ゾンビ企業」ですよね。昔からありますが、経営が破綻しているのにもかかわらず、銀行とか政府機関に支援されて生きながらえてる企業というのがあります。

 大きすぎる企業は潰せないんですよね。大企業に莫大なお金を貸している銀行が大ダメージをくらいますからね。それだけは避けようという動きが生まれます。

――じゃあ大企業は安泰なんですかね?

ひろゆき氏:組織は大丈夫でも、それが個人が大丈夫なことにはならないですよね。会社を守るために「リストラ」による人件費の削減がおこなわれますから。

 知名度も高くて人気だったJALやANAなどの航空会社とか、JTBのような旅行代理店が、コロナの影響をもろにくらっていますよね。JALは、過去にも経営が傾いたことがありましたが、多くの税金が投入されて救済されました。しかし、多くの人材整理もされたんですよ。

――国がやるべきことってなんですかね?

ひろゆき氏:さっさと潰すことですよ。うまくいっていない企業は大企業だろうが、中小企業だろうが、市場から撤退することです。

 個人にとって見ても、優秀な人は他の企業に移ることができます。環境が変われば、もっと活躍できる可能性もあります。逆に、無能な人はなかなか仕事が見つからないかもしれませんが、そんな人を失業手当とか生活保護で援助するのが国の仕事ですよ。

 国がやるべきことは、ゾンビ企業を生き延びさせることじゃなく、個人の救済です。

「個人」をベースに考えてみよう

――ひろゆきさんは組織と個人を切り分けて考えますよね?

ひろゆき氏:見え方がぜんぜん違うんですよね。全員がトクする選択肢を考えると、結果的に全員が損をする。そういうジレンマがありますから。

 だから、一般論を個人に当てはめるときは注意したいですよね。「もっと働きましょう」という時代から「ほどほどだけ働きましょう」という時代に変わっていますけど、これって個人ごとに考えるべきだと思うんです。

 飲食店の食べ放題と同じですよ。少食の人は少しだけ食べればいいし、大食いの人はいくらでも食べればいい。なのに、今は「1人800キロカロリーにしよう」みたいなルールを作ってしまっている状態です。

――働いていてつらい人に、どんなアドバイスをしますか?

ひろゆき氏:「あなたはどうしたいの?」ということから考えるべきですね。もっと働きたいんなら、バリバリ働ける会社を選んだり、フリーになる道もあります。やったらやった分だけお金がもらえたほうがいいですよ。

 逆に、あまり働きたくない人は、そういうことが許される企業を選んだり、そんなに高い給料でなくても生きていけるように生活設計をしたりすればいい。

 大きい企業に入っちゃうと、そういうことを考えずに生きられてしまうんですよね。もちろん、何も考えずに暮らしたい人は、それでいいんですけど、でもコロナのようなリスクが来ることは頭の片隅に置いて、自分がどっちを選ぶかどうかはシミュレーションしといたほうがいいですよね。

ひろゆき
本名:西村博之
1976年、神奈川県生まれ。東京都に移り、中央大学へと進学。在学中に、アメリカ・アーカンソー州に留学。1999年、インターネットの匿名掲示板「2ちゃんねる」を開設し、管理人になる。2005年、株式会社ニワンゴの取締役管理人に就任し、「ニコニコ動画」を開始。2009年に「2ちゃんねる」の譲渡を発表。2015年、英語圏最大の匿名掲示板「4chan」の管理人に。2019年、「ペンギン村」をリリース。主な著書に、20万部を突破した『1%の努力』(ダイヤモンド社)がある。