企業説明会の選別は
学生目線では危険
ちなみに、企業説明会に参加する(動画を視聴する)かどうかにあたって、1つ注意点があります。学生は多くの場合、企業の価値を驚くほど知らないものです。CMや自分の日常生活の範囲内で触れる機会があるB to Cの企業しか知らないといっても、過言ではありません。「あまり名前を聞いたことがない」「事業内容がわからない」というだけで、超優良企業の説明会に学生が集まらないのはよくあることです。
ある大学で行われた合同企業説明会では、事業規模がグローバルトップ5に入るような超優良企業のブースに、10人も来なかったという話もあるくらいです。学生が今までの思考の延長で企業を探してしまうと、企業の本当の凄さに気づかず、優良企業や早期内定を逃してしまう可能性があります。
そして、企業説明会はリアルであれオンラインであれ、応募したいのなら、まず参加/視聴しなければ話になりません。そしてその説明会は、慣れないうちは視聴に骨が折れるものです。
説明会の動画がつまらなくても
企業に価値がないわけではない
少しでも言葉足らずだとSNSで炎上を招くため、企業は日頃から社会に対して、わかりやすく、誤解なく、過不足なく、全てを明確な言葉で説明する情報発信を心がけており、学生もそれに慣れているかもしれません。しかし、こと採用に関する企業からの情報発信については、学生側に読解力が必要です。オンラインの企業説明会の動画がつまらないからといって、それだけの理由で企業を応募対象から外すのは大変もったいないことです。本当に学生が必要としている情報は、決して口当たりのよいものではありません。
就職するということは、一消費者ではなく、その企業で働いてお金をもらうということです。そもそも日本は、「行間を読む文化」が発達している国です。就活情報は自分でよく咀嚼して受け止め、納得したうえで、自分の進路を決める参考にすべきです。
企業説明会の受け方については、以前の連載記事「22年卒就活生が年末までに最低40社の企業説明会動画を見るべき理由」でも詳しくお話しているので、併せて参考にしてみてください。
(ダイヤモンド・ヒューマンリソース HD首都圏営業局 局長 福重敦士、構成/ライター 奥田由意)