ジョブ型企業で大量淘汰される「ゼネラリスト・マネジャー」の悲しい末路ジョブ型導入で苦戦する管理職の特徴とは? Photo:PIXTA

日本特有の「メンバーシップ型」の雇用システムが、「ジョブ型」へと移行しようとしています。この変化で最も影響を受けるのは、メンバーシップ型で昇格してきた管理職の人たちです。日本と米国、両方の企業でのマネジメント経験をもとに、ジョブ型で評価される管理職とそうでない管理職の違い、そしてジョブ型の管理職が目指すべき姿を解説します。(人材活性ビジネスコーチ、アークス&コーチング代表 櫻田 毅)

ジョブ型企業で居場所をなくす管理職、
頭角を現す管理職の違いとは

 ジョブ型の最大のポイントは、会社が社内のすべてのポジション(課長、係長、スタッフなどのポストのこと)に値段を付け、そのポジションが求める能力のある人をそこに当てはめるという仕組みです。

 例えば、○○部○○課長というライン課長のポジションに会社が950万円という値段を付け、そのポジションが要求するスペックに合致する人に、950万円という報酬とともに課長の座を与えるのです。ライン課長のポジションは定員1名ですから、たとえ同じ能力の人でも下のポジションに就いていれば、そのポジションの報酬しか手にできません。

 この点が、年功序列的な職能等級を基準に、個人の特性で人に値段を付けてきた日本企業の仕組みと大きく異なるものです。役割に応じた職務等級が加味されたとしても、それとポジションが完全に一対一で対応していない限り、人に値段が付いている構造は基本的には変わりません。

 では、多くの日本企業がジョブ型へのシフトを視野に入れる中で、これから出世するマネジャーに求められる条件はどのように変わっていくのでしょうか。