日本の大人たちが
性教育を受けられなかった背景

 実際に、小・中学校・高校などで性教育を行っている元養護教諭で性教育講師の「にじいろ」さんによると、「1992年以前の小学校には保健の教科書自体が存在せず、1992年頃にようやく教科書ができた。そのため、それまでは高学年の女子を中心に行われてきた月経教育が、授業として男女共修で行われるようになっていったのではないか」という。

 つまり、1992年以前に小学校の高学年だった現在30代後半以上の大人たちは、女子はともかく、男子は性教育を受けていない可能性が高いということだ。

 ただし、1992年以降、ただちに性教育の男女共修が始まったかといえばそうではない。20年以上前から性教育に携わってきた助産師の百名奈保さんによれば、「月経教育や性教育は、自治体や学校によって内容や実施の仕方に違いがあり、現在も学校によって、『男女別』『男女共修』『女子のみ』と、行われ方はさまざま」なようだ。

「男女別」で行えば、男子・女子それぞれの込み入った悩みや質問が出やすく、答えやすい。「男女共修」で行えば、男子・女子それぞれの心身の違いを知り、お互いをいたわり合うことを期待できるなど、行われ方にはそれぞれ、長所と短所があるため、どのような形で実施するのかは、学校に任されているという。

 大人たちの中には、「生理や性の話を、男女一緒に聞くのは気まずい」と思う人もいるだろう。では、実際に男女共修で性教育・月経教育を受けた子どもたちから「にじいろ」さんに寄せられた声を紹介したい。

「聞く前は、男女一緒にこういう話を聞くのは嫌だったけど、聞いてみたら、一緒に聞くことに意味があると感じた」
「自分とは違う性を知ったことがきっかけで、他の人のことを想像することや、思いやることができるのだと気づいた」

 大人の男性でも女性でも、「知らなかった」「勘違いしていた」が悪気なく誰かを傷つけていることは少なくない。しかし、知っていれば防げる。私は、男女平等に月経や性教育を受けるメリットは大きいと感じている。