新型コロナ拡大を機に日本でも急速に広まった「テレワーク」。多くのビジネスパーソンが、WEB会議やチャットツールの使い方など、個別のノウハウには習熟してきているように見えるが、置き去りにされたままなのが「テレワークのマネジメント」手法だ。これまでと違い、目の前にいない「見えない部下」を相手に、どのように育成し、管理し、評価していけばよいのだろうか? その解決策を示したのが、パーソル総合研究所による大規模な「テレワーク調査」のデータをもとに、経営層・管理職の豊富なコーチング経験を持つ同社執行役員の髙橋豊氏が執筆した『テレワーク時代のマネジメントの教科書』だ。
立教大学教授・中原淳氏も、「科学的データにもとづく、現場ですぐに使える貴重なノウハウ!」と絶賛する本書から、テレワーク下での具体的なマネジメント術を、解説していく。

「仕事ができる人」の共通点<br />“メタ認知力”を鍛える<br />3つの方法Photo: Adobe Stock

“メタ認知力”を、鍛えよう!

 前回の連載で、近年仕事ができる人の特徴として注目されている“メタ認知力”とは何かと、それがなぜテレワーク環境下でさらに重要になるのかを解説いました。

 ここでは、私が個人的に、“メタ認知力”をあげるトレーニングになると考える方法をお伝えしましょう。どれも簡単なことばかりですので、ぜひ試してみてください。

・1日の終わりに、お風呂のなかで振り返る
 裸になって開放感を感じながらリラックスしてお湯にあたると、皮膚からの刺激が脳を活性化させると言われています。この時間を1日の振り返りに使うのは非常に効果的です。

・その日に指示したことを日記に書く
 日記を書くことは自分を省みることに直結します。“3行日記”でも、エクセルで表をつくってメモを書き入れていくだけでも構わないので、今日指示したことを書き留めておくことは非常に効果的です。文字にすることで頭のなかが整理されて、自分がしたことの意味や改善点が浮かび上がってきます。

・Zoomなどの自分が話しているところの録画を見る
 自分が部下と話しているとき、どんな表情をして、どのようなしゃべり方をしているのか? リアルタイムでは相手を見ていることが多いのでなかなか気が付けません。部下との打ち合わせや会議の時の様子などの録画があれば、後でゆっくり自分が他者からどのように見えるのか、を客観的に見てみましょう。

 拙著『テレワーク時代のマネジメントの教科書』では、テレワーク時代に上司がもつべき心構えやスキルを紹介しております。ご参考になれば幸いです。