スウェーデンの衣料小売り大手ヘネス・アンド・マウリッツ(HM)は、中国を怒らせるとどれほどの代償を支払うことになるか、数字で明確に示した。1日発表した3-5月期(第2四半期)決算によると、約7400万ドル(約82億5000万円)の売上高が失われた。3-5月期は中国での売上高が約1億8900万ドルとなり、前年同期の2億6300万ドルから28%減少した。54億ドルという世界全体の売上高の中ではわずかな減少とはいえ、中国はこれまでファッション業界で急成長を遂げていた市場だっただけに、これは大きな打撃となった。同社は3月下旬、中国で突如として不買運動の標的となった。不買運動に見舞われた時期と重なる決算は、今回が初めてだ。同社はその数カ月前、中国の新疆ウイグル自治区で強制労働が行われているとの疑いについて懸念を表明。中国政府はそうした非難を一蹴し、政府系メディアやソーシャルメディアを通じてHMへの怒りをたきつけた。HMは中国のネット通販サイトや地図アプリから姿を消し、一部の店舗は貸主によって閉鎖された。
H&M決算に反映された中国の怒り、改善も道半ば
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